早期がん判別技術
2016-12-13 11:42:22

早期がん判別への新技術『N-NOSE』が示した驚異の感度と期待の成果

早期がん判別への新技術『N-NOSE』が示した驚異の感度と期待の成果



近年、がんの早期発見が医療現場での課題となっています。特に消化器がんは発見が遅れることが多く、早期診断技術の進化が求められている中、日本の株式会社HIROTSUバイオサイエンスによる『N-NOSE』検査が注目を集めています。この検査は、線虫(C. elegans)の優れた嗅覚を活用し、尿中に含まれるがん特有の匂いを識別する技術です。

臨床研究の進捗



最新の臨床研究では、消化器がんと診断された患者63名から採取した尿サンプルを対象に『N-NOSE』検査が実施されました。その結果、57サンプルが陽性反応を示し、感度は驚異の90.5%に達しました。特に胆膵がんの発見には高い難易度が伴いますが、今回の研究でも90.0%の感度を記録しました。一方、従来の腫瘍マーカーであるCEAやCA19-9の感度はそれぞれ20.6%、28.6%と比較すると、『N-NOSE』の優位性が浮き彫りになっています。

これまでの研究データを集計すると、112サンプル中105サンプルが陽性であり、総合的感度は93.8%となりました。また、同じ研究でPET-CTや他の検査項目を用いても陰性と判定された健常者14名の尿検体はすべて『N-NOSE』検査でも陰性だったため、特異度が100%であることも確認されています。

N-NOSEのメカニズム



『N-NOSE』は、線虫が特定の匂いに対して示す行動、つまり好む匂いには誘引し、嫌う匂いには忌避するという生理的メカニズムを最大限に利用しています。がん患者の尿は誘引行動を示し、健常者の尿には忌避行動を示すことで、早期がんを識別する可能性があるのです。この手法は、人工機器による診断技術を上回る精度を誇ることが期待されています。

実用化に向けた展望



現在、『N-NOSE』の検査を希望する声が多く寄せられていますが、現段階ではまだ研究の途中です。一般大衆を対象とした検査は行われておらず、研究開発を通じて早急な実用化を目指しています。今後は、論文や学会などでの発表が予定されており、医療現場での応用が待たれるところです。

結論



『N-NOSE』は、今後のがん診断に革命をもたらす可能性を秘めた技術です。高い感度を誇るこの検査が、どのように医療現場に影響を与えるのか、引き続き注視していく必要があります。早期がんの発見は患者の生存率を大きく左右するため、このような新技術の進展が期待されます。

会社情報

会社名
株式会社HIROTSUバイオサイエンス
住所
東京都港区南青山2-24-11フォーラムビルディング2F
電話番号
03-6277-8902

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