最近、株式会社Shizen Connectが再エネ併設蓄電池制御サービスを強化したことが明らかになりました。2025年7月23日に発表されたこのサービスは、需給調整市場の一次調整力に対応したもので、再生可能エネルギーの効率的な利用に向けた大きな一歩と言えるでしょう。
再エネの導入とその課題
再生可能エネルギー、特に太陽光発電は天候に大きく左右されるため、発電量の変動が問題となります。電力需要が高まる時間帯に、再エネの発電量が多すぎる場合には供給が過剰になり、注意が必要です。具体的には、各地域で「再エネ出力制御」が実施され、発電が停止されるケースも増えています。このことは、再エネ発電所の運営にとって収益性の低下を招く恐れがあります。
2026年度には、再エネ電源の出力制御の順番が見直される見込みです。これにより、固定価格買取(FIT)の対象から市場価格連動のFIT(FIP)へ移行する際に、蓄電池を併設することで、需要ピーク時における発電所の収益性を向上させるリクエストが発生しています。これに応える形で、Shizen Connectはサービスを進化させました。
Shizen Connectの取り組み
同社はエネルギーマネジメントシステム「Shizen Connect」を運用し、系統用や産業用の蓄電池を含む様々なエネルギーリソースの監視と制御を行っています。これにより、卸市場向け制御や需給市場の商品向け制御など、多角的な運用が可能です。2025年7月に開始された再エネ併設蓄電池の制御システムのSaaS提供により、企業はより効率的に電力市場にアクセスできるようになりました。
新たに追加された需給調整市場一次調整力向けの制御により、太陽光発電併設型の蓄電池は、既存の出力制御や卸市場向け制御と連携させることで、収益機会を更に増やすことができるようになるため、発電事業者にとって非常に重要な機能と言えます。
脱炭素社会への貢献
Shizen Connectは、VPP(仮想発電所)プラットフォームの構築を通じて、持続可能なエネルギーの利用と脱炭素社会の実現に貢献する計画を進めています。企業としての成長だけでなく、環境への意識も高めつつ、再生可能エネルギーの活用を促進することを目指しています。
このように、Shizen Connectの革新は、エネルギー市場における新たな可能性を切り開くものであり、今後の展開にも注目が集まっています。
会社概要
Shizen Connectは、東京都中央区に本社を構え、2023年に設立されました。設立以来、辞さず、さまざまな企業と連携し、多機能で多様なリソースとの連携を可能にするプラットフォームの開発を進めてきました。これからのエネルギー管理の更なる進化を期待する声が高まっています。