多様性を尊重する通信制高校、84％の生徒が満足度を実感

通信制高校の生徒満足度、84％が「入ってよかった」

通信制高校に通う生徒の84.4%が「入ってよかった」と感じていることが、株式会社プレマシードによる意識調査で明らかになりました。この調査は2025年5月21日から6月18日にかけて行われ、現在通っている生徒958名と、過去に通っていた34名を含む992名が対象となっています。

調査結果の概要

調査からは、通信制高校に対する入学前後の意識の変化が多面的に示されています。特に入学理由が、不登校や体調の問題といったネガティブな要因に起因することが多い中で、入学後はその意識がポジティブにシフトする傾向が強く見られました。

入学前には「楽しみ」と「不安」が拮抗していましたが、特に転入生は不安を特に感じていたようです。それにもかかわらず、入学後には「先生の親身な対応」や「友人の優しさ」が生徒にとって大きな安心材料となり、多くの生徒が興味を持つことや夢を見つけられるようになったと報告されています。

入学前後の変化

具体的には、入学前に「とても楽しみ」と答えたのは14.1%、また「やや楽しみ」と答えたのは25.6%で、合計で39.7%でした。一方、「とても不安」は15.2%、「やや不安」は26.8%で、こちらは42.0%という結果でした。学年別の分析では、新入生が入学前の期待感が特に高いことが示されています。

入学前の気持ち

この調査の結果からは、通信制高校がどのように生徒の希望や不安に寄り添っているかが浮き彫りになっています。入学後の不安としては、「一人で学習を続けられるか」という声が51.1%と最も多く、生活習慣の乱れや、就職活動に対する心配も多くの生徒が感じていました。

生徒のコミュニケーションの変化

また、入学後のコミュニケーションの変化についても調査されています。入学後、コミュニケーションが多くなったと答えたのが42.0%で、多くの生徒が交流の機会を持ったことが報告されました。具体的に、学校外での活動が53.9%と最も高く、先生や大人との関わりがそれに続く結果となっています。

自己肯定感と将来の可能性

さらに、入学によって新たな興味や将来の夢を見つけた生徒が76.8%に上り、通信制高校での学びが自己肯定感の向上につながっていることが理解されます。卒業後の進路としては、国内の大学や短大への進学を考える生徒が55.6%にのぼり、専門学校や就職を考える生徒もいる状況です。

まとめ

通信制高校は、伝統的な教育システムから外れた子どもたちに対して新しい選択肢を提供している重要な存在です。特に不登校や体調の問題を抱える生徒には、安心して学べる環境を提供し、そのポテンシャルを最大限に引き出すサポートを行っています。

この調査結果は、確かなデータとして多くの生徒が抱える悩みや期待に応え、今後の教育における重要な指針となるでしょう。通信制高校が果たす役割は、今後ますます大きくなることが予想されます。