食品ロス削減へ進化するパン業界の新たな挑戦と意識
近年、食品ロス削減に対する関心が高まっています。そして、パン業界においても、約90%以上の店舗がこの意識を持っていることが明らかになりました。これを受けて、合同会社クアッガが運営する、パンの通信販売プラットフォーム「rebake」では、パン屋さん約150店舗に対して食品ロス問題に関するアンケートを実施しました。その結果、パン業界全体の意識やロスパン(廃棄になりそうなパン)に対する見解がどのように変わっているのかを探っていきます。
調査の背景
「rebake」は、創業から6年目を迎え、この間に多くのパン屋さんとの関係を構築してきました。もともとは、売れ残ってしまうパンと向き合い、リサイクルのような形で消費者に届ける取り組みが日々行われてきました。しかしながら、最初の頃は多くのパン屋さんがロスパンの販売に消極的でした。その理由として、ロスパンが売れた場合、通常の商品と価格に差があるため、消費者の価値観に影響を及ぼすのではないかとの懸念が大きかったのです。また、品質の高いパンを作る職人の心情から、売れ残ることを恥ずかしいと捉える風潮も横行していたためです。
最近では、SDGs活動の浸透と共に、食品ロス削減がますます重要になってきており、rebakeは全国の約1,500店舗のパン屋さんから支持を受けています。調査結果にもその変化が顕著に表れています。
アンケート結果の概要
調査の結果、93%のパン屋が食品ロス削減に向けた意識の高まりを痛感していると回答しました。この背景には、rebakeのようなサービスの存在や、パン業界内部からの変革、さらには消費者の意識向上が大きな要因として挙げられます。多くのパン屋さんは、自らの働き方を見直し、パン製造から廃棄に至るまでのプロセスに改良を加えるようになっています。
発言のしやすさに関する意見
81%のパン屋が、ロスパンに関する話題について発言しやすくなったと感じている一方で、19%は依然として発言に対して消極的でした。その理由としては、「このトピックは公然と語るものではない」という慣習が影響しているようです。消費者の理解を得るためには、さらなるコミュニケーションが必要だという声も多く、特に「おいしさ」や「品質」に結びつくイメージの改善が不可欠とされています。
リアルな課題の浮き彫り
rebakeを利用することによって、「ロスが減少した」と回答したパン屋は93%ですが、ロスパン販売時の値引きに対する懸念もあるとのことです。パン屋にとっては、ロスパンも販売したい大切な製品であり、その教育や価値の理解が進むことが求められています。パン職人の思いや取り組みが適切に評価されることで、パン業界全体が持続可能な社会に寄与できるはずです。
今後の展望
今後、rebakeはターゲットを消費者にも広げていく必要があります。廃棄される予定だったパンが、どのようにして作られ、どれだけの思いが込められているのかをより多くの人々に知ってもらうことが大きな課題です。パンを食べることが、人々に幸せな時間をもたらし、フードロスの削減に貢献できる可能性があると信じています。
rebakeは、今後も浪費を無くし、持続可能な社会の実現に向けて、活動を拡充していくことでしょう。パン屋や消費者が心を一つにし、食品ロス削減という目標に向けて活動していける未来を期待しています。