日本と世界の掃除の違いが明らかに!
ドイツの清掃機器メーカーであるケルヒャー社が、世界10カ国にわたる掃除に関する意識調査を実施しました。この調査は、2024年6月から7月にかけて、ドイツ、オランダ、オーストリア、フランス、ベルギー、イギリス、ポーランド、オーストラリア、アメリカ、日本の合計10,025人の男女を対象に行われました。日本からは1,000人が参加しており、その結果を通じて、日本と他国の掃除のスタイルや価値観の違いが浮き彫りになっています。
掃除の知識は「母」から教わるが、日本は「テレビ」から
国際的に一般的なのは、掃除の知識が母親から伝授されることです。調査では77%が母親から教わったと回答していますが、日本の場合、なんと66%が「テレビ」を掃除スキルの学びの場としています。このことから、日本人は掃除に関して、家庭外から得る情報が多いことが分かります。
次第に家庭での掃除教育が薄れており、学校での「清掃」が普及しています。これも他国とは異なる日本独特の文化と言えるでしょう。小学校では生徒が自身で掃除を担い、掃除の時間を持つことが一般的ですが、他の国では清掃を専門職に委ねる場合が多く、掃除を通じて学ぶ機会が少ないのです。
掃除をする理由、国際的な傾向と日本の特異性
掃除をする理由として最も一般的なのは「衛生上の必要性」であり、国際的には75%がこの理由を挙げています。日本でも84%がこの理由を掲げているものの、興味深いのは「掃除に挑戦したい」という調査結果です。国際平均で8%ですが、日本は29%と高い数値を示しています。これは、掃除を「挑戦」として捉える文化が根付いていることを反映しています。
一方、ドイツなどでは、掃除の理由が「来客」のためというケースが多いとされ、男女で異なる行動がみられます。ドイツでは、住居内のトラブルを避けるために掃除を行うと回答する男性が多いのに対し、日本ではこの割合が非常に少ないのが特徴です。
難しい掃除の「課題」としての認識
調査の結果、「特に難しい掃除の場所」について尋ねたところ、国際的にほこりやカーペットの染み抜きが最も多く挙げられています。全体の33%が難しいと感じており、特に日本人は「窓」や「照明」といった場所での掃除を避けがちとされています。理由としては、住環境の違いや文化的要因が影響しています。
掃除を先延ばしにする理由
最も多い理由は「時間がない、疲れている」というもので、特に日本は83%がこの点を挙げました。この背景には忙しい生活や物が多すぎて片付けが難しいという事情があります。さらに、掃除用具が手元にないといった問題も挙げられ、掃除を億劫に感じる原因となっています。
まとめ
今回のケルヒャーの調査は、日本の掃除文化や習慣が国際的視点からどのように異なるのかを考察する良い機会となりました。家の掃除にかける時間や文化的な認識は国によって大きく異なり、特に日本ではテレビなどのメディアから得る情報が重要であることが際立ちます。今後もこのようなアンケートを通じて、掃除に関する意識や行動がどのように変わっていくのかを注視していきたいものです。