クラレ、化学教育の新たなステップ
株式会社クラレが主催する「少年少女化学教室」は、国内の小学生を対象にした化学実験の体験プログラムです。この教室は、化学の楽しさを伝え、次世代の科学者を育てることを目的として1992年にスタートしました。そして、このプログラムの累計参加者がついに1万人を超えたというニュースが飛び込んできました。
教室の成り立ちと活動内容
「少年少女化学教室」は、これまでにクラレの6つの事業所で300回以上開催され、その活動は年々拡大しています。昨年からは研究センターでものくり体験が始まり、アメリカや欧州の拠点にもその波は広がっています。これにより、より多くの子どもたちが科学の魅力を直に体験できるようになりました。
1万人突破の節目イベント
1万人目の参加者を迎えた記念の教室は、8月23日に愛媛県西条市の西条事業所で開催されました。この日は27名の小学生が参加し、「繊維ってなんだろう」をテーマにしたワークショップを体験しました。合成繊維を作る実験を通じて、「プラスチックからどうやって糸になるのか」という疑問を抱き、実際に様々な繊維を染める体験をしました。参加した子どもたちからは、「実験がこんなに楽しいとは思わなかった」といった感想が寄せられ、学びの大切さが実感されました。
講師の思い
講師を務めたクラレの社員は、この活動が会社のDNAを体現していると感じ、「2万人、3万人と参加者が増えることを願っている」と語りました。この言葉からも、子どもたちへの教育への情熱が伺えます。また、クラレの総務・人事本部も「1万人という節目を迎えたことは大きな励みだ」とし、来年の創立100周年に向けてさらなる活動を推進する考えを示しています。
クラレの社会貢献活動
クラレグループは、「世のため人のため、他人のやれないことをやる」という企業理念のもと、社会貢献活動にも力を注いでいます。「少年少女化学教室」のほかにも、使用済みのランドセルをアフガニスタンの子どもたちに贈る「ランドセルは海を越えて」というプロジェクトなど、積極的な取り組みを行っています。
未来を見据えて
クラレは、社会に貢献する企業として継続的に様々なアプローチを行い、子どもたちの科学への興味を育てる活動を進めています。この活動を通じて、未来の化学者たちに化学の面白さを伝えられることに期待を持ち、これからも多くの子どもたちが化学という世界に飛び込んでいくことを願っています。