クリスマスを通じた心の絆を育む「クリスマス・ギビング」
毎年、寒さが増し街が美しい光に包まれるクリスマスシーズン。しかし、その裏ではプレゼントを渡す相手も受け取る人もなく、寂しい思いを抱える人々がいます。物価の高騰が続く中、こうした孤独や孤立は決して特別なことではなく、私たちのすぐそばに存在しています。そうした中、「あなたはひとりじゃない」という温かいメッセージを届けるためにオペレーション・ブレッシング・ジャパン(OBJ)が立ち上げたのが「クリスマス・ギビング」プロジェクトです。
クリスマス・ギビングとは
このプロジェクトは、特に孤生や孤独を軽減することを目的としており、5年という長い期間、全国各地で活動が続けられてきました。単に物を贈るだけでなく、贈り物と共に心のつながりを育むことがこの取り組みの中心です。実施の中で、生活困難を抱える人々やひとり暮らしの高齢者、シングルマザーなど、支援を必要とする人々へ直接的な手を差し伸べてきました。
地域に根差した活動
このプロジェクトの発端は、2019年の長野県の台風災害支援を通じて浮かび上がった「助けて」と言えない人々の存在から始まりました。災害支援に関わった人々は、平常時からこのような課題に目を向け、地域でつながりを持つことが重要だと気づいたのです。弓削氏は「小さな気づきが大きな助けに繋がる」と語り、地域住民同士が助け合えるネットワークの構築に注力しています。
実績と成長
ここ5年間で、クリスマス・ギビングは大きく成長を遂げてきました。 2021年には300セットを配布した初回が、2年後には640セット、2023年には1,210セットと、配布数が着実に増加。2025年には約2,000セットの配布を目指しています。特にウクライナからの避難者には、現地の文化を反映したギフトも用意されました。
ギフトに込められた意味
毎年提供されるものは、米やお菓子や絵本、さらには「あなたはひとりじゃない」というメッセージが込められたカードです。
ギフトは対話のきっかけともなり、受け取る側からの声が次第に心を温め、彼ら自身が自分の思いや困難を語る機会に繋がります。シングルマザーや高齢者、災害を経験した人たちとの交流の中で、彼らの心の内に触れることができるのです。
つながりの力
この活動が進む中で、参加者同士の交流も生まれ、孤立を感じた人々が地域に戻る一歩に繋がっています。また、訪問した高齢者からは「また来てくれるの?」と温かい期待の声が上がることもあります。こうした「つながり」が支援活動をより強固なものにしているのです。
未来に向けて
私たちの取り組みはまだまだ小さなものですが、地方のコミュニティから発信される善意が集まり、より多くの人々に温かい手を差し伸べられる社会を目指しています。毎年のクリスマス・ギビングが心の絆を深め、孤立を減らすための一つの手段でありたいと願っています。私たちの活動も、ぜひ他者の支えとなる一歩を促すものにしていきたいと思います。
オペレーション・ブレッシング・ジャパンについて
この特定非営利活動法人は、アメリカのNGO「Operation Blessing」と連携し、日本国内外で支援活動を展開しています。2011年からは東日本大震災以来、地域のニーズに寄り添ったサポートを続けてきました。彼らの活動は、災害支援だけでなく、生活困窮支援、心のケア、国際協力など多岐にわたります。それぞれの支援が、地域における新たな絆を育んでいます。
クリスマス・ギビングの存在を通じて、私たちの周りで相互に支え合える社会の実現を目指していきましょう。