藤井彩音さん、臨床検査学大会での受賞
文京学院大学大学院に在籍する藤井彩音さんが、第18回日本臨床検査学教育学会学術大会において優秀発表賞を受賞しました。この大会は日本臨床検査学教育学会が主催しており、臨床検査学とその教育、研究の向上を目指しています。2006年に設立され、以来、会員校や教員間の情報交換を促進し、医療や健康、福祉に貢献してきました。
学術大会の概要
今回の学術大会は「多様化する医療現場を見据えた知技の学び」をテーマに実施され、104件の一般演題が応募されました。藤井さんは「Acinetobacter baumanniiにおける耐性菌出現阻止濃度(MPC)の検討」という題目で研究成果を発表しました。この研究では、抗生物質の投与量が耐性化に与える影響を考察し、特に耐性化に関わる遺伝子変異の可能性を新たな視点から分析しています。
発表内容の詳細
藤井さんの研究は、Acinetobacter baumanniiに対するキノロン系抗菌薬の効果を評価するもので、耐性菌出現阻止濃度(MPC)の概念を用いています。このMPCとは、耐性菌が現れる前に使用される薬剤濃度の指標です。彼女の研究では、A.baumanniiのciprofloxacin(CPFX)におけるMPCを検討し、耐性化に至るメカニズムを探求しました。新たな研究方向を示唆する結果が得られましたが、遺伝子変異は確認できなかったものの、特定の株において薬剤排出機構の効果が見られました。
このことから、耐性菌が選択される濃度域内で発生した株は、遺伝子変異以外の要因で耐性化したと考えられています。今後はさらなる研究を進め、臨床上の問題解決に寄与することが期待されています。
受賞に向けた感謝の声
藤井彩音さんは、学会発表を通じて多くの方々に感謝の意を表しました。「初めての学会発表でこのような評価をいただけたことは非常に名誉に思います。今後も臨床検査学の遂行を目指し、知識の向上と研究に励んでいく所存です」と語っています。彼女の今後の活躍に期待が寄せられるでしょう。