環境性能認証の新たな潮流
2025年2月に、環境・省エネルギー計算センターが『J-REIT 環境性能評価・認証取得状況調査2025』の結果を公表しました。これは、日本の不動産投資信託(J-REIT)が保有する物件に対する3大環境性能認証、BELS、CASBEE、DBJ Green Buildingの取得状況をまとめたものです。本調査は、認証取得のトレンドやその背後にある要因を探るために実施されました。
調査の背景
環境への配慮が求められる昨今、J-REITが保有する物件に対する環境性能の評価はますます重要になっています。透明性や比較可能性を高めるため、調査は定期的に行われ、各企業の取得状況を一元的に把握できる形となっています。前回、2024年1月時点の調査結果を公表した後、今回は2025年のデータを基にその変化を分析しました。
認証取得の全体像
調査結果によると、BELS、CASBEE、DBJ Green Buildingの取り組みは着実に進んでいます。2025年時点での取得件数は合計2,215件となり、前回調査と比較して113%の増加(272件増)を記録しました。特にBELSでは677件、CASBEE不動産では1,071件が取得され、これらの制度が引き続き人気であることが示されました。
BELSの伸長
BELSは、省エネルギー性能を評価するための制度です。取得件数は677件に達し、前回から81件増加しました。さらに、BELS制度においては、ランクにかかわらず取得する傾向が続いています。新しい評価システムが導入されて以来、特に☆6の取得が見られないものの、認証を取得する動きが確実に広がっています。
CASBEE不動産の急成長
一方、CASBEE不動産は、前回調査から283件増の1,071件となり、特に集合住宅での取得が目立ちます。この評価制度は、不動産業界における品質向上に寄与しているといえるでしょう。また、2024年からホテル版の評価システムも追加されるため、今後の成長が期待されます。
DBJ Green Buildingの課題
DBJ Green Buildingは467件の認証を取得。前回からは92件減少しました。これは、3年の有効期限に達したためにCASBEE不動産への切り替えが増えているためと考えられています。この傾向を受けて、各企業の選択が大きな影響を及ぼすでしょう。
GRESB評価と企業の動向
調査によると、GRESBの評価においても、12社がランクアップ、8社がランクダウンしています。認証取得の有効期限を考慮して、適切な評価が求められています。
未来への期待
総じて、J-REIT全体の認証取得は今後も継続的に進むと予想され、特にBELSやCASBEE不動産は今後の市場動向に強い影響を持つでしょう。環境性能評価制度は不動産業界における重要な要素として、企業戦略においてますます重視されることが期待されます。これからの動向に注目です。
環境・省エネルギー計算センターは、さまざまな認証取得に対応した支援を行っています。詳しくは公式サイトをご覧ください。
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