VectorBuilderとMaxCyte®の戦略的提携
2026年6月23日、遺伝子デリバリー技術のリーダーであるVectorBuilderと、次世代細胞治療分野に特化したエンジニアリング技術を提供するMaxCyte®が、共同で新たな細胞エンジニアリングプラットフォームの開発を発表しました。この提携により、両社は高効率・高再現性・大量製造に対応可能な臨床グレードの細胞エンジニアリングを目指します。
近年、CAR-TやCAR-NKなどの先端細胞治療において、安全性や製造効率が求められていますが、これを実現するには先進の遺伝子デリバリー技術が不可欠です。これまでのエレクトロポレーション法では、細胞生存率や発現持続性に課題があったり、レンチウイルスベクターは高い製造コストと安全性の懸念があったりしました。
そこで、VectorBuilderが開発したMiniVec™バックボーンとMaxCyte®のFlow Electroporation®技術を組み合わせることで、高効率、安全性、大量製造に最適な遺伝子導入技術を推進します。MiniVec™は、抗生物質や添加物なしで使用できる小型のプラスミドバックボーンで、GMP基準での製造にスムーズに移行できる利点があります。また、大腸菌由来の配列を最小限に抑えた設計が特徴で、それによって高い収量と発現性能が得られます。
一方、MaxCyte®が提供するFlow Electroporation®技術は、細胞への負荷を軽減する連続フロー型での遺伝子導入を実現します。これにより、細胞に対するダメージを抑えつつ高い効率で遺伝子を導入することが可能です。両者の技術を組み合わせることで、従来の方法と比較して格段に高い細胞生存率と遺伝子導入の効率が期待されています。
具体的なデータとして、初期のCAR-T製造検証では、細胞生存率が従来比で2.4倍、遺伝子発現が1.4倍向上する結果が得られています。さらに、MiniVec™とFlow Electroporation®は、あらゆる分子形式(DNA、RNA、RNPなど)に対して対応でき、CRISPR技術やトランスポゾンを用いた細胞エンジニアリングにも効果を示しています。この技術は研究段階から臨床使用にまで対応可能であり、高い信頼性を持つ細胞エンジニアリングを実現することが示されています。
MaxCyte®の社長兼CEOのマヘル・マスード氏は、「細胞治療の開発では、高い再現性と大量製造に対応する技術が必要」と述べ、VectorBuilderとの協力により製造リスクの軽減が期待できるとしています。さらに、VectorBuilderの創業者であるブルース・ラーン博士は、「この提携は高効率で安全な細胞エンジニアリングプラットフォームの実現に寄与する」と強調しました。
VectorBuilderについて
VectorBuilderは、遺伝子デリバリー技術の世界的なリーダーとして知られています。多くの研究室やバイオテクノロジー企業、製薬企業と連携し、基礎研究から臨床応用まで様々な遺伝子デリバリー技術を提供しています。そのプラットフォーム「Vector Design Studio」は、ユーザーがオンラインでカスタムベクターを設計し、発注できる特長があります。
MaxCyte®について
MaxCyte®は、「Building Better Cells Together」を掲げる細胞エンジニアリング企業で、Flow Electroporation®技術や独自の遺伝子編集評価サービスを通じて、高効率な細胞エンジニアリングを提供しています。25年以上の実績を背景に、安全で効果的な治療法を開発するために研究者を支援し続けています。