腸脳相関の新知見
2020-04-20 11:06:05

腸脳相関の新たな解明!乳酸菌EF-2001号がうつ症状を抑制するメカニズム

腸脳相関の新たな解明!乳酸菌EF-2001号がうつ症状を抑制するメカニズム



最近、東北医科薬科大学の薬学部薬理学教室の只野武名誉教授らの研究チームが、腸脳相関について新たな解明を行い、その結果を日本ベルム株式会社との共同で発表しました。この研究は、炎症性腸疾患と精神的な健康に関する重要な知見を提供します。

研究の背景


炎症性腸疾患は、潰瘍性大腸炎などが含まれ、これらの疾患はうつ病や不安神経症といった精神的な障害を引き起こすことが知られています。特に、迷走神経や末梢の炎症性サイトカインが関連しているということが指摘されています。
本研究では、潰瘍性大腸炎モデルを用いて、その影響を調査しました。具体的には、デキストラン硫酸ナトリウム(DSS)を利用してモデルを作成し、うつ様行動を確認しました。

研究結果


研究チームは、潰瘍性大腸炎によって直腸で分泌されたPICサイトカインのIL-6が脳の海馬歯状回に影響を及ぼし、神経新生細胞の抑制につながることを発見しました。その結果、うつ様行動が引き起こされることが分かりました。特に、IL-6によって引き起こされる神経へのダメージが、精神的な健康に大きな影響を与えることが示唆されました。

一方、注目されたのが乳酸菌EF-2001株の存在です。この菌株は、IL-6の分泌を抑えることによって、大腸炎からくるうつ様行動を防ぐ効果があることが確認されました。研究では、乳酸菌EF-2001を20日間、経口で摂取させた結果、大腸炎の発症が抑制され、うつ症状の発生も防がれることが示されました。

研究の意義


この研究から得られた結論は、炎症性腸疾患がIL-6に起因し、脳神経に悪影響を及ぼすこと、そして乳酸菌EF-2001がその影響を軽減できる可能性があるということです。これは、現代の食生活において重要なメッセージを与えています。私たちの腸内環境が不健全であったり、加工食品の過剰摂取が続いたりすると、精神的障害を引き起こすリスクが高まるという危惧があります。

したがって、科学的根拠に基づいた乳酸菌の摂取が、心身の健康維持においてますます重要になってくるでしょう。

共同研究について


この研究は、千代田区に本を置く日本ベルム株式会社と、東北医科薬科大学薬学部薬理学教室の共同プロジェクトとして行われました。日本ベルムは、加熱処理した乳酸菌の研究と製造を専門としており、その成果が臨床で役立つことが期待されています。

こうした研究結果が進めば、将来的には乳酸菌を用いた新しい治療法が確立されるかもしれません。

まとめ


腸と脳の相互作用が私たちのメンタルヘルスに密接に関連していることを示す本研究は、腸内環境の重要性を再認識させるとともに、乳酸菌が持つ潜在的な効果に光を当てました。今後の健康管理において、乳酸菌の取り入れが一層強調されることになるでしょう。

会社情報

会社名
日本ベルム株式会社
住所
東京都千代田区永田町2-14-3東急不動産赤坂ビル9F
電話番号
03-5521-1188

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