日立とたけびし、製造業のDXを加速する新トレーサビリティソリューションを発表

日立とたけびしが手を結び、製造業のDXを促進

株式会社日立製作所（以下、日立）と株式会社たけびし（以下、たけびし）は、生産業務における品質やリスク管理の高度化を実現する新たな製品トレーサビリティソリューションを発表しました。このソリューションは、両社の技術を融合させ、製造現場のさらなるデジタル化を支援します。

連携の背景と目的

製造業界では、データの収集、統合、分析が企業戦略において欠かせない要素となっています。日立は、IoTやデータ利活用を推進する「Hitachi Intelligent Platform（以下、HIPF）」を開発し、たけびしの「デバイスゲートウェイ」と連携することで、多様なOTデータを簡単にクラウド上で収集することができることを確認しました。この連携を通じて、特に製造業における製品トレーサビリティの実現が可能となります。

製品トレーサビリティの実現

新しいソリューションは、ERPの生産計画やMESの品質管理といったITデータに加え、生産設備の稼働状況やセンサーから得られるOTデータも活用します。これにより、工場内の生産プロセス全体をトレースバックし、不良品の予兆を事前に検出することが可能になります。AIの知見を活用することで、追跡作業の効率化やリスク管理の強化が期待されます。

業界の現状と課題

製造業を取り巻く環境は急速に変化しており、IoTやAIの導入が進んでいます。しかし、異なるメーカーの機器が多様な通信プロトコルやデータ項目を持つため、OTデータの収集や活用が難しいという課題があります。この新しい連携によって、さまざまな産業機器のOTデータをノーコードで効率的に収集できるようになる点が特筆されます。

各種データを統合し、リアルタイムで可視化

日立の「Hitachi Data Hub」や「IoTコンパス」を活用することで、収集したIT/OTデータと製造プロセスをリアルタイムで紐づけることができます。このシステムにより、工場内で流れる仕掛品や製品の状態を即座に把握し、サプライチェーンの全体像を可視化することが可能になります。具体的には、各部品の仕入先や組立方法、検査内容、および納入先に至るまでの情報を追跡できるようになるのです。