ヤンマーがCADDi Drawerを導入
製造業のデジタルトランスフォーメーション(DX)が進む中、ヤンマーホールディングス株式会社がキャディ株式会社の図面データ活用クラウド「CADDi Drawer」を導入しました。当社は、小型エンジン、大型エンジン、農機具など多岐にわたる事業を担っており、その中核にはDXの取り組みが位置付けられています。
導入の背景
ヤンマーは1912年に設立され、1933年にディーゼルエンジンを小型実用化した先進的な企業です。世界の不確実性が増す中で、企業の持続的成長には生産性の向上や業務の高度化が求められています。そのため、図面データや購買データを有効活用する必要性が高まり、CADDi Drawerの導入に至りました。
同社では既存のシステムが各自独立しており、データが分断されていたことが課題とされました。図面やBOMの管理、購買情報の管理にはそれぞれ異なるシステムが使われており、データのサイロ化が進行。これを解消するためには、迅速なデータ統合と類似図面検索が鍵になると考えられています。
効果的な活用に向けた検証
導入に際して、ヤンマーは半年間の活用検証を行いました。その結果、バリューチェーン各部門における業務効率改善が期待されることが明らかになりました。具体的には、検索や選定、査定、分析、情報連携、教育などのプロセスが円滑化されることで、図面の標準化と流用設計の推進、さらにはコスト意識の向上が実現できそうです。
今後、事業会社における本格的な導入を推進し、得られたベストプラクティスを他の事業にも展開していく予定です。
ヤンマーのDX推進の方針
ヤンマーのデジタル戦略推進部の世森達也課長によれば、「トップダウンでツールの導入だけではDXは成功しない」との考えを示しています。現場に根ざした『草の根DX』を重視し、早期に成果を上げることが重要だと強調しました。このような取り組みは、全社のDXに対するモチベーションを高めるための貴重な要素とされています。
また、デジタル戦略推進部の河野銀氏は、図面を基にした類似検索やデータ活用の重要性について触れ、「業務効率化だけでなく、高付加価値業務へのシフトも見える」と話しています。QCD最適化に向けた取り組みの一環として、今後もCADDi Drawerのさらなる推進を目指しています。
CADDi Drawerについて
CADDi Drawerは図面データの蓄積と解析を行うクラウドサービスです。自動で図面の情報を読み込み、解析に基づく類似図面検索機能を備えています。これにより、調達原価の低減や業務生産性向上が期待されています。
キャディ株式会社は、「モノづくり産業のポテンシャルを解放する」をミッションにし、製造業のデジタル化を進めています。2022年にはAI類似図面検索機能を搭載したCADDi Drawerをリリースしました。今後もサプライチェーンデータの資産化を目指し、様々なアプリケーションを展開する予定です。
このように、ヤンマーが先進的なCADDi Drawerを導入することで、製造業の効率化やQCD最適化に向けた大きな進展が期待されます。今後のヤンマーとキャディの取り組みに注目です。