松尾研究所と東光電気工事が共同で築くAI活用の未来
近年、建設業界は深刻な労働力不足と働き方改革の圧力に直面しています。そんな状況を打破すべく、株式会社松尾研究所と東光電気工事株式会社がAI技術を駆使した設備設計支援システムの共同開発に乗り出しました。
プロジェクトの背景
このプロジェクトは、長年にわたり熟練者の経験に依存してきた建設現場に新たな風を吹き込むことを目的としています。従来の運営では、業務プロセスが明確なルールやデータに基づかず、熟練者の暗黙の知識に頼っていました。このような状況が業務の非効率化や生産性の低下を招いているため、松尾研究所はその課題を解決するAI技術の適用に着手しました。
開発するシステムの内容
二社が目指す設備設計支援システムは、ただの自動化を超え、熟練者のみが行えた設計をAIによって実現しようとするものです。具体的には以下のような機能を盛り込みます。
1. 設計図の自動読み取り
受け取った設計図から、間取りや設備の種類・位置を迅速に認識するAIを開発します。異なる表記の設計図にも対応できる技術の確立を目指しています。
2. 電気設備の数量推定と自動配置
熟練者の経験則をデータ化し、施工情報に基づいて、熟練者と同等の精度で設備配置を自動化する機能を構築します。
3. 暗黙知・法令チャットの実装
熟練者の知識や法令、過去の事例などを参照し、ユーザーに説明するためのチャット機能を実装し、人材育成を支援します。
4. 質疑応答書の自動生成
大規模な言語モデルを使用し、入力された質疑メモを整理して適切なフォーマットの文書に作成する機能も導入します。
今後の展望
両社はこのプロジェクトを通じて、業務の効率化だけでなく、労働環境の改善や人材の育成効率化を図ります。また、得られた知見を基に、新たなAIソリューションの開発や他の業界へ展開する可能性も視野に入れています。
企業プロフィール
株式会社松尾研究所
東光電気工事株式会社
- - 所在地: 東京都千代田区西神田一丁目4番5号
- - 創業: 1923年11月
- - 代表: 山本 隆洋
- - 公式サイト: tokodenko.co.jp
このプロジェクトが成功すれば、建設業界におけるAIの可能性を再確認し、より良い労働環境の構築が期待されます。