東海電子の新機能搭載「e点呼PRO」の全貌
東海電子株式会社は、クラウド型の点呼システム「e点呼PRO」に新たな機能を搭載しました。この機能は、国土交通省が定める「事業者間遠隔点呼 先行実施要領」に対応したもので、近年の自動車運送業界における安全性向上と労働生産性の改善に貢献することを目的としています。
1. 先行実施の背景
自動車運送業界では、ICT(情報通信技術)の活用が加速しています。国土交通省は「事業用自動車総合安全プラン2025」に基づき、運行管理の高度化を推進しています。その中で、対面点呼と同等の効果を持つ新しい形の遠隔点呼の実現が求められています。特に、慢性的な人手不足に悩む運送事業者にとって、この「事業者間遠隔点呼」は大きな期待が寄せられています。
2. 事業者間遠隔点呼のメリット
この新システムには、さまざまなメリットがあります。
1. 運行管理者の負担軽減
様々な運送事業者間での運行管理業務を受け委託することが可能になります。これにより、運行管理者や補助者の負担を軽減し、労働時間の削減が期待されます。
2. 安全性と法令遵守
対面での点呼と同じレベルの安全性や法令遵守を維持したまま、運行管理が柔軟に行えるようになります。これにより、事業者のニーズに合った運行計画が可能になるのです。
3. 運行管理未来の拡大
これまでの制度では実現が難しかった範囲での運行管理が可能となるため、遠隔点呼によって運送事業全体がより効率的になります。
3. 主な搭載機能
新たに搭載された機能は以下の3つです。
- - 事業者間受委託申請、承認、解除機能
- - 事業者間を超えた点呼計画作成、修正機能
- - 事業者間の点呼記録の閲覧範囲を設定するユーザー権限機能
この新機能により、一つの企業が複数の企業の点呼を受け持つことができ、点呼センターとしての運用も可能になります。
4. クラウドプラットフォーム「運輸安全PRO」
「運輸安全PRO」は、運行管理の高度化と効率化を進めるためのクラウドプラットフォームです。いわゆるアナログ業務をデジタル化し、輸送の安全品質の向上に寄与します。整備されたシステムにより、企業内外、さらには社会へ向けて自社の安全品質を証明する一助となることでしょう。
5. 機能搭載日
新機能の搭載は2025年2月19日に予定されています。すでに「e点呼PRO」を利用している企業は、追加の費用なしでこの機能を活用できるとのことです。利便性の向上が期待される反面、活用に際しては東海電子への問い合わせが必要です。
この事業者間遠隔点呼の先行実施に関する詳細は、国土交通省の公式資料や東海電子の特設サイトで確認できます。運送業界の新しい時代に向けて、これらのシステムがもたらす影響に期待が高まります。