不登校の子を持つ保護者5人に1人が離職…企業と連携した新たな支援セミナー開催
近年、増加傾向にある子どもの不登校問題。その影で、深刻な問題となっているのが、不登校の子を持つ保護者の離職です。NPO法人キーデザインが行ったアンケートによると、不登校の子を持つ保護者の5人に1人が離職(休職・退職)を経験しており、9割が心の不安定さを抱えているという現実が明らかになりました。
特に母親への負担が大きいと思われがちですが、父親も約4割が心の不安定に悩んでいるという結果も出ています。仕事と育児の両立に悩む保護者の声は切実です。ある保護者は、複数の子どもの不登校対応に追われ、職場への説明や対応に限界を感じ、やむを得ず退職せざるを得なかったと語っています。また別の保護者は、子どもの不登校により遅刻や欠勤が続き、職場への申し訳なさや罪悪感から、退職を決断したそうです。さらに、休職を選択した保護者からは、経済的な不安や、休職せざるを得なかった悔しさ、夫婦間の連携不足への悩みが語られました。
保護者だけでなく、学校や教育委員会への相談についても、満足度が高いとは言えません。アンケートでは、半数以上が学校への相談に不満を感じていると回答。学校復帰のみを重視する傾向や、親の責任として不登校を捉えるような発言に、保護者は強い不安や恐怖を抱えているようです。
一方、教育機会確保法や文科省のCOCOLOプランでは、学校以外の学びの場を尊重する姿勢が示されています。しかし、現場への浸透は遅れており、学校復帰を前提とした支援が、かえって子どもの社会孤立を招いている現状があります。さらに、教員の精神的な負担増加も問題視されており、教員にも余裕がなく、子どもたち一人ひとりに目を向けられない現状があると指摘されています。
こうした状況を踏まえ、NPO法人キーデザインは、新たな社会課題として「不登校離職」に着目。企業と連携した不登校支援セミナーを開催することになりました。このセミナーでは、不登校の背景や保護者の離職実態、企業における従業員(保護者)のサポート方法について解説します。職場に理解者がいることで、精神的な負担が軽減され、離職を回避できたケースもあることから、企業による支援の重要性が強調されています。
本セミナーは、企業の人事担当やマネージャー層を対象に、オンラインで開催されます。不登校問題への理解を深め、従業員をサポートする体制づくりを促進し、不登校であっても孤立しない社会を目指します。
セミナー概要
日時: 12月3日(火)、5日(木) ※両日同じ内容
時間: 14:00~15:30
場所: オンライン(Zoom使用)
対象者: 企業の人事担当者、マネージャー層
その他: 事前申込制
NPO法人キーデザイン
代表者: 代表理事 土橋優平
所在地: 栃木県宇都宮市西原1丁目3-4 とちぎユースサポーターズネットワーク内
ウェブサイト: https://www.npo-keydesign.org/
* お問い合わせ: TEL: 080-1853-6296 (代表土橋直通) MAIL:
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