スマートグラスが拓く訪問看護の未来:TOPPANデジタルとセントケア・Replusの実証実験
高齢化が進む日本では、在宅医療のニーズが高まっており、訪問看護の重要性もますます増しています。しかし、訪問看護師は、利用者宅での診察や処置において、医師との電話でのコミュニケーションに不安を抱えているのが現状です。
この課題解決に向けて、TOPPANデジタルとセントケア・Replusは、スマートグラスを活用した訪問看護支援の実証実験を実施しました。TOPPANデジタルが提供する遠隔作業支援サービス「RemoPick®」を用い、看護師がスマートグラスを装着し、医師と患者の様子をリアルタイムで共有しながら診察や処置を行うというものです。
実証実験で明らかになった「RemoPick®」の有効性
今回の実証実験では、医師はスマートグラス越しの映像を見ながら、ポインター機能で患部の指示を明確に行うことが可能になりました。また、看護師は両手が自由に使えるため、患者の処置を行いながら医師の指示を聞き取ることができました。
実証実験を通して得られた主な成果は以下の通りです。
医師と看護師の連携強化: リアルタイムな視覚情報共有により、より的確な診察と処置が可能となり、医療の質向上に繋がりました。
看護師の心理的負担軽減: 医師とのスムーズなコミュニケーションにより、看護師の不安が軽減され、安心して業務に集中できる環境が実現しました。
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患者の安心感向上: 医師が患者の様子を直接確認していることで、患者自身の安心感も高まりました。
今後の展望:医療現場におけるスマートグラス活用の可能性
TOPPANデジタルは、今回の実証実験で得られた成果を基に、「RemoPick®」の医療向けサービス展開を2025年4月より開始することを目指しています。セントケア・Replusも、提携医療機関の拡大を進め、質の高い訪問看護サービスを提供していく方針です。
今回の実証実験は、スマートグラスが医療現場に革新をもたらす可能性を示すものでした。遠隔医療の技術革新は、医療の質向上だけでなく、医療従事者の働き方改革にも貢献すると期待されています。
「RemoPick®」について
「RemoPick®」は、スマートグラスやタブレットなどを用いて、遠隔地をリアルタイムで繋ぐ次世代コミュニケーションサービスです。映像・音声を視聴側端末のWEBブラウザに表示し、ポインター機能で指示を送信することができるため、スムーズなコミュニケーションを可能にします。
セントケア・Replus株式会社について
セントケア・Replus株式会社は、通所介護サービスと訪問看護サービスを提供する会社です。科学的なリハビリテーション機器の活用やICT技術による健康状態の見える化など、先端技術を取り入れ、新たな価値創造を目指しています。
今後の展開
訪問看護におけるスマートグラス活用は、医療現場の新たな可能性を切り開く一歩と言えます。今後、さらなる技術革新と実証実験を通して、より安全で質の高い医療サービスが提供されることが期待されます。