JALの新たな試み:二地域居住生活の推進
JALグループは、2024年10月16日に発表した中期経営計画の一環として、「二地域居住生活」のプロジェクトを始めた。このプロジェクトでは、都市圏と地方の2つの拠点を行き来する新しい生活スタイルを提案し、社会的価値と経済的価値の向上を目指す。
プロジェクトの背景
都市部への人口集中と、地方の人口減少、また地域経済の衰退という問題が日本において深刻な課題となっている。JALは、ESG(環境・社会・ガバナンス)戦略を企業の最上位の戦略と位置づけており、この課題に対しても積極的に取り組む姿勢を示している。その一歩として、「二地域居住生活」の推進を決定した。これにより、都市圏に住む人々が地方に住むことを検討しやすくする環境を整えることで、地域活性化を図る。
具体的な取り組み内容
この新たな生活スタイルでは、JALマイレージを利用して、都市在住者が地方への移動をサポートされる。具体的な内容としては、JALが提供するマイレージを活用し、地方の玖珠町への訪問を容易にする。この取り組みの第一弾として、大分県玖珠郡玖珠町と大分県信用組合との間で協力覚書が締結された。この覚書に基づき、2024年度は月4往復相当のマイレージを提供し、二地域居住を実際に体験するための支援が行われる。
初年度には、約50名の参加者が玖珠町の「お試し暮らし住宅」に滞在し、地元の自治体職員や地域住民との交流を通じて、移住や定住の検討を行う。ここでの生活体験を通じて、地域の魅力を再認識してもらうことを目的としている。
玖珠町の魅力
玖珠町は、大分県の自然豊かな地域で、温泉や美しい景観が魅力である。また、地元の人々との交流が深まり、地域住民とのネットワークを築くことで、住みやすさの向上も期待される。さらに、玖珠町は、新たな住民を迎え入れるために「お試し暮らし住宅」を用意しており、家賃は水道光熱費込みで月3万円というリーズナブルな価格で提供される。
地域を支える金融支援
大分県信用組合も本プロジェクトに協力しており、二地域居住者が地域内で新たに住居を購入する場合には、専用の住宅ローンを用意。このように、金銭的なサポートも整えており、移住希望者の後押しをしていく。
持続可能な未来を目指して
JALは、これらの取り組みを通じて「関係・つながりの創出」を促進し、地域経済の活性化を図る。都市部に住む人々が地方とのつながりを深め、持続可能な地域の発展に寄与することがなるべく強調されている。このプロジェクトは、他地域との連携も視野に入れながら、さらに広がりを見せることが期待されている。
JALグループの新たな挑戦は、多くの人々に地方を知るきっかけを提供し、移住や定住を考えるきっかけとなるだろう。都市と地方の架け橋となり、共に発展する未来へとつながる一歩を踏み出している。そして、JALのマイレージを通じて、新たなライフスタイルが広がることを期待したい。