鬼怒川温泉で光のアートが生まれる
栃木県日光市に位置する温泉旅館「界 鬼怒川」では、魅力的なイベント『灯る器のものがたり』が2025年12月から2026年3月にかけて初めて開催されます。このイベントでは、日常的に廃棄されてしまう益子焼の陶片をアップサイクルし、幻想的な光のアートとして生まれ変わらせる試みが行われます。期間中、この陶片を使用したライトアップが中庭を美しく彩り、訪れる人々を楽しませます。
陶片から生まれる幻想的な光
このプロジェクトの中心となるのは、廃棄される陶片で作られたライトです。本来、捨てられてしまうことが多い陶片を活用することで、サステナブルなアートが誕生します。年間約400kgもの陶器が廃棄される中から、今回このイベントで使用されるのは、その約25%にあたる100kgです。夜になると陶片の隙間から漏れる柔らかな光が、周囲に心地よい影を作り出し、日中も釉薬の色彩で庭を華やかに演出します。これは自然を大切にした新しい冬の風物詩へと進化していきます。
作家と直接交流できる陶器市
また、今回のイベントの期間中、館内では「冬の陶器市」も同時に開催され、地元の作家による個性的な陶器が展示販売されます。およそ10名の作家が参加し、土日には本人も来館して直接その器についての話をする機会が設けられます。これは、作り手と使い手の交流を生み出す貴重な機会です。来館者は実際に益子焼を使用したカクテルセットを楽しむこともでき、器の実用性や魅力を体感することができます。
益子焼ナイト
毎晩行われる「益子焼ナイト」では、スタッフが益子焼の歴史や技法を解説し、その深い魅力を訪れる人々に伝えます。このように、訪れる人は益子焼の魅力を多様な角度から体験し、理解を深めることができるのです。
陶器を通じて感じる心の豊かさ
益子焼の作家、大塚一弘氏は、益子焼の持つ素朴さや温かみこそが、長く使われることで愛着を生むと語っています。実用的でありながら、見た目や質感でも楽しめる作品が多い益子焼は、日常生活の中で心を豊かにする存在として、多くの人に親しまれています。
カクテルセットで過ごすひととき
また、ライトアップされた中庭を眺めながら味わう冬の限定カクテルセットは、栃木県産いちごのリキュールなどを使用した数種類のオリジナルカクテルが楽しめます。地元の野菜を使ったピクルスや日光名物のゆばを添えた、おつまみと共に提供されるため、益子焼の魅力を肌で感じることができます。
まとめ
このように、界 鬼怒川でのイベント『灯る器のものがたり』は、廃棄される陶片を使用したライトアップや陶器市を通じて、伝統的な工芸への意識を高め、地域の魅力を再発見させてくれる素晴らしい機会です。訪れる人々は、益子焼を使った作品に触れながら、その美しさと実用性を実感でき、楽しむことができるでしょう。
期間: 2025年12月1日~2026年3月31日(陶器市は2026年1月24日~3月31日)
場所: 界 鬼怒川