ベトナムのエビ養殖革命
2024-08-05 11:49:15

バイオマスを活用した省エネ型エビ養殖システムがベトナムで始動

バイオマスを活用した省エネ型エビ養殖システムがベトナムで始動



最近、バイオマスを利用した「省エネ型エビ養殖統合システム」がベトナムで本格的に稼働を始めました。この画期的なシステムは、NEDOが助成する「脱炭素化・エネルギー転換に資する我が国技術の国際実証事業」の一環として実施されています。

新技術の導入背景



ベトナムでは、エビ養殖が主要産業の一つですが、従来の養殖法にはさまざまな問題がありました。例えば、抗生物質の使用が一般的であり、これが環境に悪影響を与えています。また、エビ養殖から出る汚泥の処理方法が確立されておらず、周辺の河川や土壌が化学物質で汚染されるという社会的課題も抱えています。

NEDOは2020年度からこの課題に取り組み始め、本システムを開発しました。このシステムは、養殖の汚泥に加え、現地で生産されるレモングラスの廃棄物を混ぜたバイオマスを原料に、固体酸化物形燃料電池(SOFC)を用いて発電し、エビ養殖に必要な電力を供給します。

実証システムの稼働と期待される効果



7月24日、ベトナム南部のティエンザン省に本システムの開所式が行われ、TH AQUA社での運用が正式に開始されました。このシステムにより、エビ養殖に必要な安定した電力供給が見込まれ、効率的な養殖環境の創出が期待されています。さらに、今後はIoT技術を活用して、養殖環境と育成状況の相関性を分析し、より効率的な養殖方法の確立を目指します。

地域経済への貢献と持続可能な発展



本システムの導入は、ベトナムのエビ養殖業において持続可能な発展を促進するものです。特に、地域経済の活性化に寄与することが期待されており、環境負荷を低減しつつ安定した生産性を維持するための新たなモデルケースとなるでしょう。これにより、化学物質を使わず、より持続可能な方法で高品質なエビを生産する体制が整うことになります。

今後同システムを運用し、実証研究を進めることで、日本の先進技術が世界に広がり、真の持続可能な養殖業へとつながることが期待されます。
この新たな取り組みは、ベトナムの農業政策とも合致しており、環境保護と経済成長の両立を目的とした施策への貢献が求められています。


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会社情報

会社名
国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構
住所
神奈川県川崎市幸区大宮町1310番ミューザ川崎セントラルタワー
電話番号
044-520-5207

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