株式会社奥村組が開発した環境配慮型コンクリート「CELBIC」
この度、株式会社奥村組(本社:大阪市阿倍野区)は、共同研究会で開発した環境に優しいコンクリート「CELBIC」を自社寮の建設に採用しました。CELBICは地中梁や基礎部分に用いられ、CO2排出量を大幅に削減できることから、近年、建設業界において注目されています。
CELBICの特長と採用背景
近年、ESG(環境・社会・ガバナンス)やSDGs(持続可能な開発目標)への関心が高まり、建設業界でも環境への配慮が必要とされています。株式会社奥村組は2023年1月に「Science Based Targets(SBT)」の認定を受け、温室効果ガスの削減に向けた具体的な目標を設定しました。その中でも、自社寮の建設にCELBICを取り入れることは重要な取り組みとなっています。
CELBICとは、「高炉スラグ微粉末」を用いて従来のポルトランドセメントの一部を置き換えることで、セメント製造時のCO2排出量を削減する環境配慮型コンクリートです。特に、自社寮では基礎と地中梁にCELBICを最大70%の割合で使用し、約63%のCO2排出量を削減することが可能となります。これにより、コンクリートの打設によって削減されるCO2量は約45トンにも及びます。
自社寮の概要
埼玉県川口市に位置するこの自社寮は、部屋数が60室で、地上8階建ての構造を持ち、RC造と木造のハイブリッド構造が特徴です。地震にも強い免震構造を採用することで、安全性も確保されています。また、木材の使用量は246立方メートルに達し、資源の有効活用を図っていることも特筆すべき点です。
今後の展開
株式会社奥村組は今後も、CELBICのような環境に配慮した技術を積極的に提供し、サステナブルな建設業界の確立に寄与していく方針です。宇部市や周辺地域の建設プロジェクトにおいても、CELBICの採用を促進し、社会全体の温室効果ガス削減に貢献することを目指しています。
会社概要
株式会社奥村組は1907年に創業し、現在では従業員数2,265人、資本金198億円を誇る建設業のリーディングカンパニーです。建設工事の設計と施工、建設コンサルタント業務、不動産事業など、多岐にわたる事業を展開しています。そのシンボルマークは「人」を象徴し、未来づくりに貢献するヒューマン・コンストラクターを目指す理念を表現しています。
このように、株式会社奥村組は環境配慮型の取り組みが求められる現代において、持続可能な発展を目指し、積極的な姿勢で事業を進めています。さらに、地域社会への貢献にも力を入れ、環境と人々の共生を図っていく所存です。