不正リスク対策ガイド
2020-12-09 14:00:03

2020年度 職業上の不正リスクに関するガイドラインを発表

不正の実態とその対策に関する報告書



一般社団法人日本公認不正検査士協会(ACFE JAPAN)が、近年の組織内不正を分析した「2020年度版職業上の不正と濫用に関する国民への報告書」を発表しました。この報告書は、世界中の不正事件を集計し、その傾向や背景を詳述したものです。興味深いのは、125の国と地域から収集された2,504件の不正事例に基づいており、その損失額は36億ドルを超えていることです。

報告書の概要



報告書は、職業上の不正事例を詳細に検討し、様々な観点から不正の防止や発見に役立つ情報を提供しています。主な焦点は、発見までの平均期間が14ヶ月とされており、平均的な損失は月額8,300ドルという驚くべきデータです。特に、発見のきっかけの43%が通報であることから、ホワイトボックス化した組織の重要性が浮き彫りになっています。

不正の種類と被害状況



分析によれば、不正の86%は横領や資産の不正流用によるものであり、その損失額中央値は100,000ドルです。また、財務諸表不正は10%の割合で、中央値は954,000ドルと、こちらも大きな被害をもたらしています。このような統計は、企業がどのように不正に立ち向かうべきかを考える良い指針となります。

組織における不正対策



この報告書は、不正対策に取り組む企業がどれほどの成果を上げているのかという点についても触れています。過去10年間で増えている対策としては、通報制度の導入や、不正対策方針の明文化、従業員への教育が挙げられます。特に、通報制度を導入している企業は、そうでない企業に比べて損失額が約倍違うという結果が示されているため、導入を考えることは不可欠です。

不正の兆候と注意点



さらに、報告書では不正を行う人物に見られる主な兆候も明記されています。具体的には、収入に対して過剰な生活水準を維持している場合や、経済的な困難に直面している場合が多いとされています。特に従業員数が100名以下の企業では不正行為が多発しており、大企業と比べて請求書や給与などでの不正が2倍から4倍も多く発生しています。

今後の取り組み



この報告書は、不正リスクに対する正しい理解と対策を促進するための貴重な資料です。企業や個人は、報告書を参考にしながら、自社の不正対策の見直しを行い、本物の安心を設ける必要があります。報告書は、ACFE JAPANのウェブサイトから無料で閲覧可能で、誰でもダウンロードして利用できます。

不正は絶対になくすことは難しいですが、知識を持って振り返り、対策を講じることで、大きな損失を未然に防ぐことができるでしょう。

会社情報

会社名
一般社団法人 日本公認不正検査士協会(ACFE JAPAN)
住所
東京都千代田区神田駿河台3-4龍名館本店ビル5階
電話番号
03-5296-8338

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