小田急不動産が推進するデジタル化
小田急不動産株式会社は、新築分譲住宅事業において株式会社スタイルポートが提供する3Dコミュニケーション・プラットフォーム「ROOV」を全社的に導入しました。この施策により、プロジェクトの一元管理が可能となり、デジタルトランスフォーメーション(DX)も進むことが期待されています。
新たなプロジェクト管理の仕組み
「ROOV」の中核となる統括管理サービス「WORKS」を活用することで、小田急不動産は社内の様々なプロジェクトを一元で管理する環境を整えました。これまで、物件ごとに異なる販売手法やナレッジは部分最適に留まっていましたが、「ROOV」の導入により、全社共有の資産として活用できるようになります。これにより、ガバナンスやセキュリティの向上も図れるため、さらなる業務効率の向上が期待されます。
小田急不動産の期待
小田急不動産の販売計画グループの奥村様は、「数年前から分譲住宅事業におけるDX推進に取り組んできましたが、『WORKS』の採用によりプロジェクトの一元管理が可能になりました。これによって、より効率的な販売が期待できます」とコメントしています。
また、マンション販売グループの沼田様は、「過去には担当物件以外のデータにアクセスする際に多くの時間を要しましたが、現在では『WORKS』を通じて簡単に資料を共有し、販売の効率が大幅に向上しました」と語ります。
「ROOV」の特長と全社導入の背景
「ROOV」は、不動産業界における業務プロセスを大きく変革するために開発されたオンラインサービスです。特に未竣工の物件も仮想空間で再現できる「ROOV walk」や、住宅販売に必要な全てのコンテンツを一元管理できる「ROOV compass」といった機能を備えています。これにより、物件へのアクセスの不便さを解消し、新しい形での顧客との接点を提供します。
今後、「ROOV」の全社導入はさらに広がりを見せ、小田急不動産に続く企業が11社に達しました。しかしこの流れは、単に数を増やすことにとどまらず、プロジェクトごとの課題に対しての包括的なアプローチであり、より効率的で透明性の高い業務運営を実現することがその目的です。
DXに伴う新たな可能性
従来、DX推進はプロジェクト単位で進められることが主流でしたが、部分的な取り組みでは全体の最適化が実現しないという課題がありました。しかし、「ROOV」を全社的に取り入れることで、プロジェクトの進捗を可視化し、ナレッジを組織全体で共有できるようになります。スキルの属人化を防ぎ、次のプロジェクトへの展開が円滑に進むことが期待されています。
今後の展望
スタイルポートは「ROOV」を通じて、不動産販売業界へのさらなるサービス開発に取り組む意向を示しています。特に2024年7月からは、デジタルツインプラットフォーム「ROOV.space」の提供も開始され、オフィスや物流倉庫、アリーナなど、住宅以外の分野にも展開が期待されます。
このように、小田急不動産における「ROOV」の導入は、ただのIT施策にとどまらず、業界全体の業務プロセスの進化を加速する重要な一歩となるでしょう。今後もこのトレンドが業界全体にどのように影響を与えていくのか注目が集まります。