ディープテックが渋谷から羽ばたく
2025年1月に開業した渋谷の「SAKURA DEEPTECH SHIBUYA」(以下、SDS)では、ディープテック分野のスタートアップを支援するために、国内外のさまざまな企業や学術機関と連携して活動しています。この度、東急不動産とスクラムスタジオが共同で運営するこの拠点では、「Sakura Deeptech Shibuya Accelerator」の成果発表を行い、スタートアップたちが日本市場での実証実験を通じて得た知見を披露しました。
実証実験の成果と未来の展望
SDSの活動の中でも特筆すべきは、選抜された10社のスタートアップが半年間のプログラムを通じて、日本企業との協業を深めたことです。デモデイでは、これらの企業がどのようにして新たな技術やアイデアを実現化しているのかを示す様々なデモンストレーションが行われました。
1. Veroboticsの自動外壁清掃ロボット
イスラエルのスタートアップであるVeroboticsが開発した全自動外壁清掃ロボットは、実際に渋谷サクラステージのビルの外壁で清掃を行うデモが実施され、注目を集めました。この技術は、ただ外壁を清掃するのではなく、清掃中に外壁のデータを収集・管理する機能も持っており、東急不動産はその活用を真剣に検討しています。
2. Loliwareの海藻由来素材
アメリカのLoliwareが開発したプラスチックの代替素材は、09月には実際のイベントで使用され、その環境への配慮から注目されています。海藻由来のストローは、サステナブルな分野での新たな商業化を視野に入れたものです。
3. Foundation Alloyの革新技術
Foundation Alloyは、超高性能金属技術を用いて、包丁製造に新たなアプローチを提供するとしています。日本の貝印との連携が始まっており、製造プロセスの省力化と廃棄物削減を目指しています。
関心を集めたパネルディスカッション
また、デモデイでは、参加者200名以上が来場し、業界のリーダーやベンチャーキャピタルの専門家、大学の研究者、スタートアップ関係者などが集まりました。特に注目されたのは、イギリスの電力会社オクトパスエナジーのCPO、Michael Cottrell氏による、海外スタートアップと日本企業との文化的な相違についての講演です。
新たなスタートアップ募集のお知らせ
これからのアクセラレータープログラムでは、グローバルな展開を目指すディープテックスタートアップを募集する予定です。渋谷は多様なカルチャーが交差する独自の地域であり、この特性を生かしたいと考えています。次回のプログラムは、技術だけでなく文化の融合による新たな価値創出を目指します。
コミュニティ形成の重要性
SDSは設立から1周年を迎え、以前にも増して多様な分野のプレイヤーが集うコミュニティとして機能しています。これにより新たなイノベーションが生まれ、社会課題の解決に貢献するエコシステムづくりが進行中です。未来を見据え、SDSは引き続き社会に必要な技術を育成していきます。
詳細情報
- - 施設名: SAKURA DEEPTECH SHIBUYA
- - 所在地: 渋谷サクラステージ セントラルビル 12階
- - HP: 公式ウェブサイト
このような新たな挑戦によって、私たちの社会はより良くなっていくでしょう。各スタートアップの技術と取り組みが、今後どのように実を結んでいくのか、今から非常に楽しみです。