メンタルヘルスの現状
2019-10-31 16:05:05

日本のメンタルヘルス問題を可視化するカオスマップの意義

日本のメンタルヘルスカオスマップの重要性



精神疾患を抱える人の数は400万人を超えており、この数は今後さらに増える見込みです。その背景には、統合失調症が安定した発症率を持つ一方で、気分障害や不安障害の増加があるとされています。
また、発達障害やひきこもり、高齢社会における認知症の問題も深刻化しており、2025年には700万人に達すると予測されています。これらの要因を鑑みると、メンタルヘルス対策は喫緊の社会問題であることが明白です。

さらに、身体疾患のヘルスケアに比べ、メンタルヘルスに絡むスタートアップの数は相対的に少ないため、どのような課題を解決しようとしているのかが見えづらい状況にあります。そこで、実際にメンタルヘルススタートアップがどのように機能しているのかを可視化する目的で「メンタルヘルススタートアップカオスマップ」を作成しました。

カオスマップから見えるメンタルヘルス対策の現状



今回のカオスマップ作成にあたり、STARTUP DBや経済産業省のデータベース、複数のニュースサイトを調査しました。カオスマップのアイコンには、各企業のロゴを用いています。

診断・創薬



日本の診断・創薬分野は、海外に遅れをとっていると言わざるを得ません。遺伝子解析やゲノム編集を活用できていない現状が続いています。国の医療研究開発予算は1200億円を超えており、その中でメンタルヘルス関連には90億円が割かれていますが、依然として発展途上です。今後、研究が進むにつれてこの領域も活性化されることが期待されます。

認知症・介護ケア



認知症治療には、多様なサービスが必要です。遠隔診療を始めとした多くのスタートアップがこの分野で活動しており、ただ治療を行うだけでなく、生活分析やリハビリテーションを通じて社会に貢献しています。

アプリ・ゲーミフィケーションによる治療



アメリカでは、注意欠陥多動性障害に対するゲームアプリがFDA承認申請中ですが、日本にはこれに類似する製品がありません。現時点での実績があり、禁煙アプリなどを展開しているスタートアップはありますが、メンタルヘルス関連のアプリはほとんど存在しない状況です。

カウンセリング



カウンセリングに関しては、心理療法やICTを用いた相談サービスが含まれますが、日本における心理療法は医療保険の枠にとどまっているため、受けられる質や種類に制限があります。心理士の社会的な地位も低く、その結果、心理療法の技術開発が進みにくい状況です。

発達障害就労支援



日本では、特に技術を利用したコミュニケーション支援に関する企業が見られませんが、プログラミング教育を通じた支援を行うスタートアップが出てきています。VR臨床支援や技術教育は、今後の重要なテーマとなるでしょう。

睡眠



睡眠は全ての精神疾患に影響を及ぼす重要な要素です。日本人の平均睡眠時間は短く、良質な睡眠を得ることは国民的な課題とされています。そのため、睡眠関連サービスの需要が高まっています。

産業保健・EAPサービス



2015年からのストレスチェック義務化によって、産業保健におけるメンタルヘルスへの関心が高まり続けています。多くの企業がストレスチェックサービスを提供しており、ヘルスケアに関連するテクノロジーの導入も進んでいます。

結論



日本のメンタルヘルス対策は、診断・創薬から睡眠やカウンセリングサービスまで、多岐に渡り展開されていますが、依然として課題が山積しています。特に長期的な入院・薬物療法中心の制度により、心理療法の普及が遅れているのが現状です。また、メンタルヘルスへの一般的な関心の低さも、課題の一因と言えるでしょう。とはいえ、企業が健康経営を推進する中で、メンタルヘルス対策への注目は高まりつつあります。このようなカオスマップを通じて、今後の取り組みの重要性とその進展に期待したいです。

会社情報

会社名
メンタルコンパス株式会社
住所
愛知県名古屋市中区大須4-13-28プレサンスロジェ705
電話番号
050-5327-7199

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