山形県立博物館特別展『両羽博物図譜』の開催について
山形県立博物館が、2025年9月27日から12月14日まで『両羽博物図譜〜博物学者松森胤保に描かれた動物たち〜』を開催することが発表されました。この特別展は、山形出身の著名な博物学者、松森胤保の生誕200周年を祝うもので、彼が残した貴重な文化財である『両羽博物図譜』を中心に展開されます。
展覧会の背景について
令和7年は、松森胤保が生まれてからちょうど200年が経過する年です。彼は鶴岡市出身で、自然科学に対する深い造詣と独自の視点で観察した動植物の世界を描いた博物学者として知られています。『両羽博物図譜』は59冊にわたる大作で、山形県と秋田県に生息する動植物を網羅しています。これにより、彼の自然に対する情熱と観察力が感じられる作品が今なお多くの人々に感銘を与えています。
展示内容
本展では、松森胤保が晩年に山形の自然を描写した『両羽博物図譜』の実物を展示し、さらに他の動植物の剥製や実物標本も展示されます。特に注目すべきは松森氏自身が収集した「鳥巣・鳥卵」や「岩石」の標本が初公開されることです。これに加えて、彼の自画像や時代の資料も展示され、彼の生涯と研究に迫る内容となることでしょう。
展示構成
展示は4つの章で構成され、彼の生涯や博物学者としての活動を紹介します。
1.
松森胤保の生涯
この章では、松森の生い立ちや彼の博物学者としての道のりに焦点を当てます。自然や生物に対する彼の強い関心と観察眼から生まれた作品がどのように形成されたかを探ります。
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主な展示物:
- 鳥かご(酒田市松山文化伝承館蔵)
- 紺糸威二枚胴具足(個人蔵)
- 刀無銘(伝冬廣)(個人蔵)
2.
両羽博物図譜に描かれた動物たち
この章では、図譜に描かれた動物たちとその実物標本を合わせて展示します。松森が考案した分類法に基づき、多種多様な生物の姿を観察することができます。
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主な展示物:
- 両羽博物図譜の一部(酒田市文化資料館光丘文庫蔵)
- ニホンモモンガ(当館蔵)
- ハヤブサ(当館蔵)
3.
両羽博物図譜の源流をたどる
松森胤保がこの大著を執筆する際の情報源や、彼が集めた標本の数々を示す展示です。ここでは新発見の資料も披露されます。
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主な展示物:
- 新発見の鳥巣・鳥卵標本(当館蔵)
- 固定標本と一緒に写った彼の写真(個人蔵)
4.
博物学者としての松森胤保
多岐にわたる著作や関心を持った分野を紹介する章で、彼の博物学者としての広範な業績を理解することができます。
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主な展示物:
- 南郊開物経歴(個人蔵)
- 石器(個人蔵)
関連イベント
本展では、訪問者が更に松森胤保の理解を深められるよう様々な関連イベントも開催されます。これには記念講演会や展示解説会のほか、特別な記念イベントも予定されています。
- 10月13日(月・祝)
「胤保に挑戦!標本から動物のナゾを解き明かそう」
講師: 中村夢奈氏(やまがたヤマネ研究会)
- 12月7日(日)
「日記から読み解く松森胤保と動物の関わり」
講師: 小野寺雅昭氏(飽海地域史研究会)
- 11月3日(月・祝)文化の日
「自分だけの博物図譜を作ろう!」
講師: わらびもちきなこ氏(漫画家)
- - 展示解説会: 各回13:30~14:00に実施。
展覧会の基本情報
- - 会期: 2025年9月27日(土)〜12月14日(日)
- - 開場時間: 9:00〜16:30(最終入館16:00)
- - 休館日: 月曜日
本展の参加にあたり、社会貢献の一環として山形県立博物館は多くの関係機関と共に協力し、地域文化の発展を目指しています。この貴重な機会に、多くの方に足を運んでいただけることを願っております。