再生可能エネルギーを活用した地域の未来
北海道の自然に恵まれた日高地方で、鉄道の廃線跡地が新たな息を吹き返します。JR北海道、ENEOSリニューアブル・エナジー、北海道電力の三社が共同で、日高線廃線跡を利用した太陽光発電プロジェクトを推進しています。この取り組みは、2025年10月31日に締結されたオフサイトPPA契約を基盤とし、地域の脱炭素化を進めるものです。
プロジェクトの内容
このプロジェクトでは、JR北海道がENEOSが設置する太陽光発電所から、年間約710万kWhの再生可能エネルギーを調達します。発電は日高線廃線跡地に新設される2つの太陽光発電所によって行われ、合計出力は約3,980kWにのぼります。得られた電力は苫小牧駅や北広島駅など、複数の施設での運用に活用され、室蘭線・千歳線の電力供給にも寄与します。
この取り組みの結果、従来の電力使用と比べて年間約3,700トンものCO₂排出量削減が見込まれています。さらに、再生可能エネルギーによる環境価値を組み合わせることにより、苫小牧駅と北広島駅の電力使用は実質的に「ゼロカーボン」を実現する見通しです。
オフサイトPPAとは?
オフサイトPPA(Power Purchase Agreement)は、発電事業者が電力供給地点の敷地外に再生可能エネルギー発電設備を設置し、発電した電力を特定の顧客に提供する電力契約の一形態です。このスキームにより、事業者は自社の電力ニーズに合わせて再エネを調達し、環境負荷を軽減することができます。
地域の脱炭素化への貢献
三社は、この取り組みを通じて地域の持続可能な発展に寄与し、北海道の「ゼロカーボン北海道」実現に向けた目標に向かって邁進しています。日高線の廃線跡地を活用することで、地域活性化と環境保護を同時に実現するという新しい可能性が中間報告として提示されています。
まとめ
JR北海道とENEOSリニューアブル・エナジー、北海道電力の共通した願いは、地域の未来に向けた新しいエネルギーのカタチを創り出すことです。日高地方の自然環境を守りながら、再生可能エネルギーの普及と環境改善に貢献するこのプロジェクトは、地域のみならず、他の地方にも波及効果をもたらすことが期待されています。次世代のエネルギーを実現するために、これからも注目を集める取り組みです。