『奇のくに風土記』受賞
2025-10-17 17:07:24

文芸界に新たな感動をもたらした『奇のくに風土記』が泉鏡花文学賞受賞

新たな文学の扉を開く『奇のくに風土記』



木内昇著の『奇のくに風土記』が、第53回泉鏡花文学賞を受賞することが決まり、文芸界に新たな感動をもたらしました。本作は、江戸時代の本草学者をモデルにした感動的な時代幻想譚で、物語の背景には、自然と人間の不思議な関係が巧みに描かれています。

泉鏡花文学賞は、金沢市が主催する地方自治体主催の文学賞として、全国でも先駆けて設立されました。この賞は、泉鏡花の文学世界に通じるロマンにあふれた作品を対象としており、市民の推薦に基づく選考が行われています。

物語の魅力



『奇のくに風土記』の主人公である十兵衛は、紀州藩士の息子で、幼少期から植物と対話をする特異な才能を持っています。しかし、彼は人とのコミュニケーションが苦手で、その葛藤が物語の大きなテーマとなっています。ある日、山中で出会った天狗との不思議な交流を通じて、彼は自分自身を見つめ直し、成長していく姿が描かれています。この物語は、自然と人間の関係や、周囲の人々との心温まる交流を織り交ぜながら進行します。

木内さんは受賞に際し、「本草を通じて自分自身も救われた気がします」という喜びのメッセージを寄せ、作品が多くの人々に届くことを願っています。装画を手掛けたmayamaxxやデザインの櫻井久氏、編集者たちにも感謝の意を表しています。

泉鏡花文学賞の意義



泉鏡花文学賞は、金沢市の文化を広めるために1973年に創設されました。毎年8月1日を基準とし、その前の1年間に発表された文芸作品の中から選考が行われます。選考委員には文学界の著名な作家が名を連ねており、質の高い作品が選ばれることが期待されています。このような賞を通じて、地方文芸の振興や地域文化の発展が期待されているのは大変素晴らしいことです。

著者の軌跡



木内昇さんは、1967年に東京都に生まれ、出版社での勤務を経て小説家に転身しました。彼の経歴は著名な文学賞受賞歴が多数あり、その実力が証明されています。近年は『雪夢往来』で中山義秀文学賞を受賞するなど、ますますその評価が高まっています。

書籍情報



『奇のくに風土記』は2025年5月29日に刊行予定で、定価2200円(税込)。328ページの上製本となっており、電子書籍版も予定されています。詳細は出版元である実業之日本社の公式サイトで確認できます。


この受賞を機に、木内さんの作品が広く読まれ、文学ファンに愛されていくことを願っています。自然と人間の繋がり、過去と現在の交錯を描いた『奇のくに風土記』に、ぜひ一度触れてみてください。


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会社情報

会社名
株式会社実業之日本社
住所
東京都港区南青山6-6-22 emergence2
電話番号
03-6809-0770

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