教育と産業が共に育む未来を探求する松下ゆか理の講演
元公立教員で社会起業家の松下ゆか理氏が、2025年10月に福岡市で開催された「ものづくりフェア2025」にて基調講演を行い、「学びと技術をひらき、教育と産業をつなぐ未来」をテーマに、新しい教育と産業の連携モデルを提案しました。
松下氏は、教育と産業が連携することは、子どもたちに新しい学びの価値を提供するだけでなく、地域の企業が持つ技術や文化を次世代に伝える重要な手段であると述べました。彼女は、地域の企業や職人が直接子どもたちにその知識と経験を教えることで、若者が「働くことの意味」を自然に理解し、それによって挑戦する力が育まれると強調しました。
背景
松下氏が代表を務める共育パレット株式会社は、企業や団体の専門家と学校をつなぐ出前授業支援サービス「SPOT TEACHER」を運営しています。彼女の組織は、元教員コーディネーターによる授業設計から運営までをサポートし、教育現場の負担を軽減し、多様な学びの機会を提供しています。これまでに、エネルギーや福祉、伝統文化などの分野での出前授業を行い、地域の教育委員会とも連携して教育、産業、地域をつなぐモデルを構築してきました。
今回の講演は、九州オープンファクトリーがテーマのモノづくりビジネス交流会で行われました。このイベントでは、教育と産業の協力が持つ可能性について深く掘り下げられ、松下氏は地域産業と学校が共に未来を育むための具体的なアプローチを示しました。
講演内容
松下氏は講演の中で、教員不足と人材不足という現代の課題に触れ、教育と産業が連携することによって生まれる新たな学びの価値を提案しました。彼女は、「子どもたちの未来を支えるためには、社会全体で“学び”を支えていくことが重要です」と力強く述べました。
さらに、彼女は九電グループと協働した中学生向けのエネルギーキャリア教育プログラムや、多様な業界とのコラボ授業の成功事例を紹介。これにより、教育と産業が共創し、地域の未来を切り拓く力を持つことを伝えました。
出前授業の具体例として、「伝統文化を通じて学ぶ“受け継ぐ力”」や、「生きやすい社会を目指す仕事と地域価値の再発見」が紹介され、参加者からは多くの興味や共感が寄せられました。
参加者の声
講演後に行われたパネルディスカッションでは、モノづくり企業との意見交換が行われ、「社会に開かれた教育」と産業の未来づくりの両立について熱い議論が展開されました。参加者からは、「今後の地域産業の発展に向けて、もっと多くの企業が関与してほしい」といった感想が寄せられ、教育と産業の接点に対する新たな関心が集まりました。
今後の展望
松下氏は、今回の講演を契機に、さまざまな産業分野との連携強化を目指し、地域全体で子どもたちの学びを支える仕組みを構築していくと明言しました。SPOT TEACHERは、地域の学校と企業をつなぎ、子どもたちが社会や仕事の実態にふれる機会を提供していくことを目指しているほか、教育現場の課題解決と産業の持続的な発展を両立させるための共育プラットフォームとしての役割を果たす意欲を示しています。
これにより、地域産業と教育環境の密接な連携を実現し、生徒たちにとっての魅力的な学びを促進していく方針です。地域の企業、学校、自治体が連携し、活気ある未来を築いていくことが期待されます。