日本の難治性てんかん治療に向けた新たな一歩、GW Pharmaが臨床試験開始

GW Pharmaが第3相臨床試験を開始



GW Pharma株式会社が、カンナビジオール(CBD)を用いた経口液剤「GWP42003-P」の第3相臨床試験において、最初の患者への投与を行ったと発表しました。この薬剤は、欧米では「エピディオレックス」として知られるもので、難治性てんかんの治療において新たな希望とされています。

この臨床試験の目的は、レノックス・ガストー症候群(LGS)やドラベ症候群(DS)、結節性硬化症(TSC)の患者に対する併用療法の有効性と安全性を評価することです。試験には、国内の21ヶ所の医療機関が参加しており、84名の患者が予定されています。その中で、60名は小児患者(1歳以上18歳未満)、24名が成人患者です。

臨床試験の構成



この臨床試験は、2つのパート構成となっており、非盲検のテストが実施されます。最初のパートAでは、短期間での有効性や安全性の確認が目的であり、二週間の用量漸増期間と、その後の14週間の用量維持期間が設けられています。続くパートBでは、長期的な安全性が検証され、52週間または製造販売許可が取得されるまで続行されます。

Jazz社のグローバル研究開発担当上級副社長、ロブ・イアノーネ氏は、「日本での第3相臨床試験は、我が社にとっても患者にとっても大きな一歩です。有効性や安全性を確認し、治療薬の承認に繋げたい」と期待を寄せています。

日本におけるGW Pharmaの取り組み



GW Pharmaの篠原久治社長は、「日本で初めて患者に投与できたことに深い感謝を申し上げます。大麻由来医薬品を日本の患者の手元に届けられるよう努力していきます」とコメントしています。また、政府の支援にも感謝し、国会議員や医療従事者の協力をお願いしました。

GW Pharmaは、2021年に設立され、世界で40カ国以上で承認されているEpidyolexを日本で展開する目的で活動しています。この薬剤は、高純度のCBDからなる処方薬で、小児の難治性てんかんを対象としています。

難治性てんかんへの理解



ドラベ症候群やレノックス・ガストー症候群は、いずれも治療が難しいてんかんであり、多くの場合、患者は一生涯にわたる介護を必要とします。これらの疾患は、特に小児において発症しやすく、発作が繰り返されるため、生活の質に大きな影響を及ぼします。

ドラベ症候群は、SCN1A遺伝子に起因する重度のてんかんであり、日本では約3,000人の患者がいるとされています。初期の症状は体温に関連して発症し、重度で多様な発作を伴います。LGSは、複数の発作型を示し、約4,300人の患者が日本にいると報告されています。

期待される成果



GW Pharmaは、試験の結果が陽性であれば、患者や医療現場に新たな治療選択肢を提供できる可能性があります。日本における大麻由来医薬品の承認プロセスにおいて重要な役割を果たすとして、注目が集まる中で、この臨床試験が成功することが期待されています。

GW Pharmaの今後の動向も見逃せないところです。

会社情報

会社名
GW Pharma 株式会社
住所
東京都千代田区丸の内1丁目11番1号パシフィックセンチュリープレイス丸の内13階
電話番号

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