2025年の収入と貯蓄に関する調査結果
株式会社アスマークは、20~50代の有職者を対象に「収入と貯蓄に関するアンケート」を実施し、その結果を2023年12月18日に公開しました。この調査は、2015年、2021年に続くもので、生活を取り巻く環境の変化を考察する重要なデータを提供します。
調査の背景と目的
近年、物価上昇やコロナ禍といったさまざまな要因が私たちの生活に影響を与えています。今回の調査では、過去数年の変化を振り返り、収入に対する満足度や貯蓄意識の動向を明らかにしています。
調査結果の概要
1. 平均給与と貯蓄額の上昇
国税庁によると、民間企業の平均給与は478万円に達し、前年比で3.9%増加したとのこと。また、総務省の調査では、二人以上世帯の平均貯蓄額が1,984万円と、2002年以降で最高額を更新しています。これらは全体的な資産形成の進展を示していますが、物価上昇が影響し、生活実感とは乖離が生じているかもしれません。
2. 貯蓄の意識の変化
調査によると、約4人に1人が「月々の貯蓄はしていない」と回答しており、これは過去2006年及び2021年の調査と比較して最も高い数値です。この結果は、物価の上昇に伴い、収支の余裕がなくなったことを示唆しています。
3. 貯蓄総額の変動
貯蓄についてのデータも興味深い結果を示しています。10年間で「低貯蓄層(100万円未満)」が約半減し、貯蓄額が底上げ傾向にあるものの、依然として「100万円未満」の層が13.0%存在しています。これに対し、500〜1,000万円の層は年々増加しており、特に3,000万円以上の貯蓄を持つ層も5.6%と増えています。
4. 貯蓄する理由
貯蓄の理由としては「老後資金のため」が56.6%と最も高い割合を示し、次いで「将来に不安があるから」が45.2%、そして「貯蓄があれば安心できるから」が43.0%となっています。特に女性においては、安心感を重視する傾向が顕著で、女性20~30代既婚者の56.2%がこの意識を持っています。
5. 収入に対する満足度
収入に関する満足度調査では、「不満計」が約41.5%と高い数値を示し、未婚層が特に不満を感じている傾向にあります。中でも男性40〜50代の未婚層は48.0%が不満を抱いています。対照的に、男性20〜30代の既婚層では、「満足」する人が高く、満足度の差が見られました。
まとめ
今回の調査からは、貯蓄に対する意識や収入に対する満足度がどのように変化しているかが明らかになりました。特に、貯蓄ゼロの人が増加している一方で、貯蓄を行う人の中には老後資金に強い関心を持つ層が存在しているなど、世代や性別によっても特徴が異なることがわかりました。これからの生活環境を考える上で、今後の動向に注目する必要がありそうです。