森林の経済的価値を見出す実証実験
株式会社日立システムズは群馬県森林組合連合会と協力し、約50ヘクタールに及ぶ森林で実施した実証実験の結果を発表しました。この取り組みの背景には、地球規模での生物多様性の損失に対する危機感があり、企業や地域社会が積極的に「ネイチャーポジティブ」に移行することが求められています。
ネイチャーポジティブとは?
ネイチャーポジティブとは、生物多様性を単に保護するのではなく、その回復を目指す考え方です。2022年に採択された昆明・モントリオール生物多様性枠組(GBF)では、2030年までに自然の損失を反転させることが国際目標として掲げられています。企業もこの流れに応え、持続可能な経営戦略を採用することが求められています。
実証実験の目的
日立システムズは、森林の水源涵養機能や生物多様性を評価するため、環境DNA分析やGIS解析などの先端技術を駆使しました。今回の実証実験では、森林の状態を定量的に評価し、その経済的価値を算出することが主な目的でした。
経済的価値の算出
実験の結果、日立システムズは森林の水源涵養機能の維持が年間約4,900万円の経済的価値を生むことを確認しました。この算出には、環境省が整備した評価式が用いられ、民間企業としては初の試みです。これにより、水資源管理や森林整備の施策がデータに基づいて策定されることが期待されています。
さらに、適切な樹種を選定する「適地適木」の考えに基づく施策も提案され、最大で年間約6,000万円の価値向上が見込まれています。
今後の展望
日立システムズは実証実験の知見を活用し、全国の地域と連携してネイチャーポジティブの実現に向けた支援を行っていく方針です。導き出されたデータを基に、企業や自治体が持続可能な環境を保ちつつ、その活動が社会に与える影響を意識した施策の策定を進めるとしています。また、お客様との協創を通じ、国の環境目標に貢献できるような活動を展開することを目標としています。
まとめ
今回の実証実験は、日立システムズと群馬県森林組合連合会が協力し、持続可能な森林管理の一層の進展を図るための重要なステップとなりました。生物多様性を保全し、経済的にもイノベーションを追求する未来の森林管理は、地域や企業の発展に寄与するだけでなく、地球環境の保全にも大きく貢献するものと期待されています。