ispaceと韓UEL社が月面探査に向け契約締結
株式会社ispace(東京都中央区、代表取締役:袴田武史)は、韓国の宇宙探査企業であるUnmanned Exploration Laboratory(以下、UEL)との間で、2028年に月面での二輪探査ローバー「SCARAB」を輸送するペイロードサービス契約を締結したと発表しました。この契約は、韓国初の二輪月面探査ローバーを月へ輸送するための重要なステップとなります。
2028年新ミッション3について
本契約に基づき、ispaceは2028年に予定している「新ミッション3」の中で、UELが開発した二輪ローバーを新しいランダーモデル「ULTRA」に搭載し、月面への輸送を行います。SCARABは約2kgという超小型ローバーであり、その主な目的は技術実証を通じて宇宙における実績を確立することです。具体的には、月の昼間に撮影された画像データを収集し、月面探査システムの全体を検証する役割を果たします。
組み合わせ技術による高精度な探査
SCARABローバーには、2台のカメラが搭載されており、「ランダー・セルフィー・ローバー」という構成で、ランダーおよびその搭載ペイロード全体を撮影します。これにより、高精度な3次元画像を生成することが可能となり、月面探査の全体像を把握するために貢献します。また、SCARABは約200gのペイロードを搭載可能で、シンプルな「クイック・リリース」機構によって月面に展開される予定です。これにより、複雑な構造を避けることで軽量化を達成し、月面探査の効率を高めることが期待されています。
日韓協力による宇宙開発の未来
ispaceとUELの協力は、2014年からの交渉の結果、ついに2024年10月に本ミッションに向けた最初の覚書を締結したところから始まりました。続いて、2025年には中間契約が結ばれ、今回の正式なペイロードサービス契約にまで至りました。この契約は、約2年間にわたる日韓両国の協業の成果を示し、両社の関係深化を象徴するものです。
社長のコメント
株式会社ispaceの袴田武史CEOは「このたびのCONTRACTは、日本と韓国の宇宙探査企業が連携して、月面での技術実証を世界に示すものです。今後も機動力のある月面へのペイロードサービスを提供し、世界中のパイオニアによる技術実証を支えてまいります。」と語っています。
UEL社のビジョン
一方、UELのCEOであるJaeho Lee氏は「本契約により、UELは韓国初の民間主導の月面ミッションを実施する企業となることを目指しています。また、当社の技術をグローバルな宇宙市場に示し、新たなビジネスモデルの有効性を実証します。宇宙における極限環境での生存に向けた技術を地球上の過酷な環境下でも応用することにも取り組んでいきます。」と述べています。
未来の探査ミッションに向けて
今後もispaceとUELは、さらなる月面探査ローバーの輸送契約について検討を続け、シスルナ経済圏の発展および月面のモビリティサービス拡大を目指していく方針です。これは、2050年の深宇宙探査そして火星探査に向けた第一歩として、宇宙産業の新しい局面を切り開くことになるでしょう。