サンケン電気が量産開始した新型モータドライバ
埼玉県新座市に本社を構えるサンケン電気株式会社は、革新的な技術を駆使し、車載向け高圧3相モータ用ドライバ「SAM212MxxAF1シリーズ」の一部として、最新製品「SAM212M15AF1」の量産を開始したことを発表しました。新しいこの製品は、出力スイッチング素子やプリドライバ、そして制限抵抗付きブートストラップダイオードを一つのパッケージに統合したオールインワンタイプの設計で、業界内での競争力を高めています。
画期的なサイズと性能
「SAM212M15AF1」は、15Aの電流を扱うことができるモデルで、現時点で車載用の1200V対応高圧ドライバとしては最も小型化された製品です。他社製品に比較すると、サイズは約50%小さく、より効率的な設計が実現しています。これにより、車両の基板設計がコンパクトになり、システム全体の軽量化に寄与できると言えるでしょう。
さらに、このドライバは優れた耐熱性能を誇ります。動作におけるジャンクション温度を175℃まで保証し、長時間の使用でも安定した性能を提供します。また、2500Vの絶縁耐圧を持つため、安全性も高く、車載規格であるAQG324にも準拠しています。これにより、電動車(xEV)に搭載される他、電動コンプレッサ、電動オイルポンプ、電動ウォーターポンプなど、高圧補機システムでも幅広く利用できます。
開発背景と市場ニーズ
電動車市場の成長に伴い、電動オイルポンプの重要性が増しています。これは、エンジン停止時や始動時にオイル供給を行うため、車両のスムーズな動作と省燃費に直結する重要な部品だからです。特に省エネルギーを追求する中で、エンジン停止の範囲が広がり、ハイブリッドシステムを搭載した大型車両においても需要が増加傾向にあります。こうした要望に応える形で、サンケン電気は初めて1200Vに対応した「SAM212MxxAF1シリーズ」を市場に投入しました。
製品の特長とメリット
- - 小型パッケージ: DIP30(52.5mm × 31mm × 5.6mm)サイズを採用し、省スペース化を実現。
- - 温度検知精度の向上: サーミスタを内蔵し、温度変化に対する高い追従性を持つため、異常温度の早期検知が可能。
- - 多彩な保護機能: 過電流保護や低電圧保護機能を備え、安全性を確保。
サンケン電気が提供するこの新型ドライバは、小型化されたパッケージに高性能を集約し、将来的な車両技術の進化に直接寄与する製品です。今後の車載市場での活躍が期待されます。詳細は
こちらから確認できます。
企業情報
サンケン電気株式会社は1946年に設立され、電子部品やデバイス、電気機械器具の製造・販売を行っている企業です。資本金は208億9690万円で、最新技術を駆使した製品開発に注力しており、業界内での信頼を築いています。今後も持続可能なエネルギーを追求しつつ、高機能な製品を展開し続けることを目指しています。