水道管のAI診断実験
2019-12-20 13:01:12
水道管路の劣化診断にAI技術を活用!Fractaの実証実験が大阪市でスタート
水道管路の劣化診断にAI技術を活用
Fractaが大阪市水道局と共同で、最新のAI技術を用いた水道管路の劣化診断に関する実証実験を開始しました。この取り組みは、水道管路に関連するデータを詳細に解析し、その結果を基にして地域の水道インフラを最適化することを目指しています。
Fracta社が開発したこのAI技術は、水道管路に関する多様なデータ、例えば配管素材や使用年数、過去の漏水履歴などに加えて、独自に収集した様々な環境変数を組み合わせて破損確率を高精度に算出するものです。この技術によって高リスクの水道配管を特定し、優先的に更新を行うことで、メンテナンスコストの効率化と漏水事故の防止が期待されています。
アメリカの22州において水道事業者から高い評価を受けているFractaは、2018年に日本鋳鉄管とパートナーシップ契約を結び、日本国内における環境データベースの精度向上やサービスの展開に注力しています。今回の実証実験では、大阪市の水道管路データを収集・解析し、川崎市上下水道局や神戸市水道局との連携を通じて国内向けアルゴリズムの有効性を向上させることを目指しています。
実証実験の現場では、既に大阪市を含む4つの自治体が参加しており、将来的には米国だけでなく、日本の水道管路に関する課題解決に向けた取り組みが強化される見込みです。
Fractaの背景
Fractaは2015年にシリコンバレーで設立されたベンチャー企業で、老朽化した水道管の問題に取り組んでいます。米国では水道管の破損や漏水が深刻な社会問題となっており、Fractaの技術を導入することで、更新費用を30~40%削減することが可能になると試算されています。また、全米50州のうち22州において、50以上の水道事業者がこの技術を導入している実績があります。
CEO加藤崇のプロフィール
FractaのCEOである加藤崇氏は早稲田大学理工学部を卒業後、スタンフォード大学の客員研究員や東北大学特任教授としても活動してきました。かつては東京三菱銀行にも勤務し、SCHAFTの創業に関与後、同社をGoogleに売却したことで広く注目を集めました。2015年にFractaを設立し、技術革新を通じて水道インフラの改善に取り組んでいます。
私たちの生活を支える水道インフラの維持管理は、日増しに重要なテーマとなってきています。Fractaのような革新的な技術が浸透することで、今後の水道事業が一層効率的になることが期待されています。
会社情報
- 会社名
-
Fracta
- 住所
- 東京都中野区中野4-10-1中野セントラルパークイースト
- 電話番号
-
03-4446-7020