住友林業の受賞について
住友林業株式会社は、2024年度のグッドデザイン賞において、三件の優れたデザインを受賞したことを発表しました。これらの受賞作品は、同社が誇る木材の特性を活かした設計・施工が評価され、持続可能な資源利用の重要性を改めて浮き彫りにしました。
受賞作品の詳細
突板パネリング75フラットJ
この製品は、住友林業とその100%子会社、住友林業クレスト株式会社によって開発された木質部材です。国産材の突板を使用した壁と天井の仕上げ材で、約160mmの幅を持つパネル中央に特徴的な溝加工が施されています。このデザインは、洗練された印象を生み出すために、見切り材を可能な限りスリム化するなどの工夫が凝らされています。さらに、壁と天井に連続使用することで、木の温もりに包まれた安らぎの空間が演出されています。色合いも、穏やかな色味のタモ、ナラ、スギの三樹種から展開され、リラックス効果を高める役割を果たしています。
風景をきりとる壁のある家
次に、住友林業が設計・施工したこの戸建住宅は、自然豊かな別荘地に立地しています。しかし、その好立地には、ハイシーズンには混雑が生じるという欠点もありました。隣家との距離が近いことから、音や視線が気になることも。この住宅は、周囲のネガティブな要素からプライバシーを守るために、効果的な建築壁を設け、開口部を限定することで、緑豊かな風景を取り込みながら、安心して過ごせる空間を実現しました。
グランフォレスト田園調布
最後に、JR西日本プロパティーズ株式会社と住友林業の100%子会社、スミリンフィルケア株式会社の共同受賞となる「グランフォレスト田園調布」は、自然と共生することを追求した環境共生型の高齢者向け施設です。この施設は、多摩川の恵まれた自然環境を最大限に生かし、生物多様性にも配慮したデザインが施されています。入居者が健康で幸せに暮らせるように、自然を日常生活に取り込む工夫がされています。
グッドデザイン賞について
グッドデザイン賞は、1957年に創設され、約60年以上にわたって優れたデザインを顕彰してきました。国内外の多くの企業や団体が参加するこの賞は、「よいデザイン」を通じて暮らしの質を向上させ、社会の課題に対する解決策を提供することを目的としています。今年度は5,773件の応募の中から1,579件が受賞し、住友林業の作品もその中に名を連ねました。
住友林業の未来
住友林業は、森林経営から木材の製造、さらには住宅や木造建築、バイオマス発電に至るまで、幅広い事業を展開しています。2030年までの長期ビジョン「Mission TREEING 2030」を掲げ、木造建築の普及を通じてCO2の固定を進め、脱炭素社会の実現に貢献することを目指しています。今後も、経済的かつ環境に優しい住空間の提案を続けていくことでしょう。