ストラタシス(Stratasys)とドイツのソフトウェア企業trinckle 3Dが提携し、同社の画期的な治具設計ソフト「fixturemate」を、ストラタシスの先進的な印刷ソフト「GrabCAD Print Pro」に統合することが発表されました。この提携により、製造ワークフローが格段に向上し、特にCADの専門知識がない人でも簡単に治具を設計できるようになります。
この新機能は、特に産業界、輸送、受託製造、サービス業などでの治具・ツーリング用途を広げることを目的としています。これにより、設計から製造までのプロセスがよりスムーズになり、業務の効率化が期待されます。スムーズな治工具のワークフローにより、イノベーションの可能性が広がると同時に、製造工程における柔軟性と効率も飛躍的に向上します。
ストラタシスのソフトウェア部門副社長であるVictor Gerdesは、「専門的なCADスキルが不要になることで、製造現場の人材活用が柔軟化し、複雑な治具やツーリングの開発が容易になる」と述べています。これは、作業時間の短縮や人材育成コストの削減につながる一方で、顧客のニーズに応じた製品設計とプリント準備を包括的にサポートすると期待されています。
fixturemateは、数分でカスタム治具を設計できるインテリジェントな自動化技術を活用したツールであり、従来の治具設計の複雑さを大幅に軽減します。部品に応じて最適な治具形状を自動的に設計し、加工や検査、組み立てなどのプロセスを加速させます。GrabCAD Print Proとのシームレスな統合により、材料コストの削減や製造効率の向上が実現されることが期待されています。
trinckleのCEOであるFlorian Reichleは、アディティブ・マニュファクチャリング(AM)の分野でのボトルネック解消に向けて取り組んでおり、専門的なCADスキルや手動設計に伴うコストを取り除くことで、製造業者が迅速に治具を作れる環境を整えています。「この新しいソフトウェアは、ワークフローの加速とAMの価値を最大化するために設計されています。」と彼は述べています。
この革新的な治具は、穴あけやアンダーカットなどの二次加工を必要とする鋳造部品向けに設計され、従来の機械加工を不要にし、コスト削減を実現します。ストラタシスは、2025年4月8日から10日に米国ミシガン州デトロイトで開催される「RAPID + TCT」にて、新たに統合されたfixturemateとGrabCAD Print Proを展開する予定で、来年中にはストラタシスの全技術プラットフォームでこの機能が提供される見込みです。
さらに、本提携によってストラタシスが得られる期待される利益については、技術的なリスクや不確実性が伴うことが企業側でも認識されています。これにより、最終的な結果が予測通りにいかない可能性もありますが、それでも新しい治具設計ソリューションは製造業における品質向上や効率化に寄与することが期待されています。
ストラタシスは、アディティブ・マニュファクチャリング分野でのリーダーとして知られ、一連の革新的な3Dプリント技術を活用して、航空宇宙、自動車、医療、教育など、さまざまな業界に向けたソリューションを提供しています。ストラタシス・ジャパンも、日本国内での3Dプリンティングサービスの提供を通じて、多くの企業に貢献しています。技術の発展と共に変革するモノづくりの未来に、これからも目が離せません。