近年、サイバーセキュリティの脅威が増加する中で、その対策として従業員のセキュリティリテラシーを高める教育が必要とされています。本記事では、兼松が参画する日本サイバーセキュリティファンド(NCSF)が、初の投資先としてLRM株式会社を選定したことをお伝えします。この選定により、LRM社が提供する国産のセキュリティ教育クラウドサービス「セキュリオ」が注目を集めています。
サイバー攻撃の原因として、従業員の人為的なミスが多く挙げられることは周知の事実です。情報セキュリティに関する調査によれば、毎年上位にランクインしており、その対策としてセキュリティ教育のニーズは急激に高まっています。2024年度には、セキュリティ教育サービスの市場規模が100億円を超えると予測されており、企業規模を問わず、さまざまな組織で実施されることが期待されています。
NCSFは、LRM社の業績成長や提供されるサービスが国産である点に着目し、第一号出資先としての決定に至りました。さらに、パートナー企業とのシナジーも考慮されており、今後の発展が期待されています。この出資は、NCSFとグローバルセキュリティエキスパート社による共同によるもので、DWの市場において大きな意味を持つ決定です。
セキュリティ教育は、EDR(Endpoint Detection and Response)といったツールの導入に加え、従業員が持つ意識を高めることで強化されます。ツールの導入には高コストや導入工数が伴うため、教育プログラムの実施が比較的手軽に行えることが、企業にとって魅力的な選択肢です。この流れの中、「セキュリオ」は特に日本国内のニーズに適応した教育サービスだと評価されています。
「セキュリオ」は、セキュリティ教育を担当者の負担なしで実施できるクラウドサービスです。具体的には、標的型攻撃メール訓練機能、eラーニング機能、セキュリティアウェアネス機能が搭載されており、月額18,000円から利用可能です。これまでに累計2,200社を超える企業が導入しており、実績の豊富さが強みです。
主な機能には、サイバー攻撃を想定した訓練メールの配信、120種以上の教材を用いたeラーニング、定期テスト機能、従業員のセキュリティルールの遵守状況の確認など多岐にわたります。これにより、従業員のセキュリティ意識を高めるためのトレーニングが効率的に実施可能です。
LRM社のCEO、幸松哲也氏は、出資が日本の情報セキュリティ業界全体に良い影響を与えるとの期待を表明しています。デジタルトランスフォーメーションが進む現代において、情報セキュリティの重要性が増す中で、優れた教育プログラムを通じて企業のセキュリティ文化の醸成に貢献することを目指しています。
この出資決定は、単にLRMの成長を促すだけでなく、その他のセキュリティ企業との協力も見込まれており、日本の情報セキュリティ基盤の強化につながることでしょう。今後、NCSFの活動がどのような成果をもたらすのか、その動向に注目が集まっています。私たちも引き続き、日本のサイバーセキュリティ業界の未来に期待を寄せたいと思います。