教育改革を後押しするDXサービスの登場
令和7年4月より、学校現場において新たに生成AIサービスと自動採点サービスが運用を開始しました。今回は、その詳細や導入の効果について掘り下げてみます。
1. 生成AIサービス『スタディポケット』の特徴
(1) 利用学校
このサービスはすべての公立学校で利用されており、小学校が44校、中学校が23校、さらには総合高校や特別支援学校も含まれています。
(2) 教育現場に特化
スタディポケットは教育現場の校務に特化しており、特に個人情報がAIの学習に利用されないよう設計されています。この点は、プライバシーを重視する現代において非常に重要です。
(3) プロンプトのテンプレート化
利用者はプロンプトのテンプレートから選択し、学級通信や修学旅行のしおりなどの文書を効果的に作成できます。
(4) クイックリプライ機能
ユーザーは事前に用意された質問の候補から選ぶことができ、スムーズに作業を進められます。
(5) マジックプリント機能
生成AIが教材や小テストなどをPDF形式で自動生成し、教員の業務を大幅に効率化します。
2. 自動採点サービス『百問繚乱』の概要
(1) 利用学校
百問繚乱は、全中学校(23校)及び総合高校で利用されます。
(2) 簡単な操作
このサービスでは、模範解答を取り込み、簡単な操作で自動的に採点ができます。これにより、教員は記述式問題以外の採点を迅速に行えるようになります。
(3) 自動集計機能
採点だけでなく、観点別や設問別など様々な分析が可能で、教育の質を向上させるためのデータを提供します。
3. 導入の効果
(1) 効率向上
生成AIサービスの試験運用では、業務が約48%削減され、年間で1人あたり約24時間の効率化が実現されました。また、自動採点サービスでは業務が65%削減され、同様に年間約40時間の削減効果が見込まれています。
(2) 導入状況
現在、生成AIサービスは県内の全公立学校で導入されていますが、自動採点サービスは19市の内3市での導入となっています。これらのサービスがもたらす教育現場の変革に、期待が高まります。
4. 今後の展望
教育分野におけるDX推進は、今後さらに重要なテーマとなります。AI技術を駆使した新しいサービスが導入されることで、教員の負担軽減や教育の質向上に寄与されることが期待されています。さらに多くの学校で普及することにより、教育現場がより良い方向に進んでいくことを願っています。