福岡の医療現場で進化する訪問診療
最近、医療法人すずらん会が運営するたろうクリニックにおいて最新の訪問診療スケジュール管理システム「CrossLog」が導入された。このシステムによって、診療の効率が大きく向上したという。その背景や変化について詳しく掘り下げていこう。
導入の背景
たろうクリニックは、福岡市に位置し、認知症専門医をはじめとした幅広い診療科の医師が連携して、在宅医療を提供する診療所である。月におよそ1,200名の患者に対応する「総合病院」としての役割を果たしているが、これまでのスケジュール管理は担当者1名がエクセルを使用して行っていた。
この管理方法にはいくつかの課題が存在した。担当者が休むことで予定調整が困難になることや、同時に複数の人が編集できないという問題があった。こうした属人化の問題を解消し、全スタッフがアクセスできる管理体制を構築するために、CrossLogの導入が決定された。
導入後の変化
1. 属人化の解消とアクセス性の向上
CrossLogが導入されることによって、スケジュールの管理が直感的に行えるようになった。院長も出張や講演予定が入った際に即座にスケジュールを変更できるようになったため、全体の柔軟性が向上した。
2. スケジュール調整時間の短縮
新しいシステムにより、車載ナビへの手入力作業が不要になり、往診のスケジュール調整も以前よりも円滑に行えるようになった。これにより、従来かかっていた作業時間を大幅に短縮することに成功した。
3. 業務負担の軽減
電子カルテとのAPI連携により、スケジュールを一度入力すれば、自動で反映される仕組みが整備された。これによってスタッフの業務負担が大きく軽減され、より多くの時間を患者へのケアに充てられるようになった。
インタビュー動画と事例集の公開
クロスログ株式会社は、導入事例としてインタビュー動画を公開しており、どのようにCrossLogが実際に運用されているか、具体的な改善ポイントや活用機能が示されている。さらに、スケジュール管理や業務効率化に成功した8つの事例をまとめた事例集も公開されている。この情報を活用することで、訪問診療に携わる医療機関の運営に役立てることができるだろう。
CrossLogの特長
CrossLogは、在宅医療を提供する医療機関向けに設計された業務効率化ソフトである。煩雑な作業を減らし、医療現場のデジタル化を図ることで、医療の質を高めることを目的としている。主要な電子カルテとの連携をはじめとした多くの機能が搭載されており、細やかなニーズに対応するサービスが提供されている。
クロスログ株式会社について
クロスログ株式会社は「在宅医療を当たり前にする」というミッションを掲げ、2020年12月に設立された。福岡市博多区に本社を置き、訪問診療専用のスケジュール管理システムの企画、開発、運営を行っている。
公式ウェブサイトや問い合わせ先も用意されており、導入を検討する医療機関に対するサポート体制が整っている。医療現場のニーズに応じたシステムを提供することで、地域医療の発展にも貢献していることは間違いない。
このように、たろうクリニックでのCrossLogの導入は単なる効率化にとどまらず、医療の質全般に良い影響を与えることが期待される。さらなる事例が増えることを望み、今後の進展に注目したい。