日本企業とグローバル企業の英語スピーキング力の差
EdTechカンパニー、株式会社レアジョブが提供する "PROGOS®" の英語ビジネススピーキングテストが、提供開始から5年で100万人の受験者を突破したことを受けて、日本企業の英語スピーキング力に関する調査結果を発表しました。これにより、日本企業とグローバル企業との間での大きなギャップが明らかになりました。
調査の背景
"PROGOS®"は、AI自動採点技術とCEFR(ヨーロッパ言語共通参照枠)に基づいて、英語を「話す力」の明確化を実現しました。今回の調査は、日本国内を含む106の国と地域のデータを基に実施され、日本のビジネスパーソンのスキル傾向に対する詳細な分析が行われました。
主な調査結果
1. スピーキング力における明確な差
グローバル企業では約90%の従業員が英語で業務を行える中、日本企業では「B2」レベル(責任のある業務が遂行可能なレベル)の従業員割合がわずか10%未満という結果が出ました。これは、グローバル企業における割合の4分の1程度にとどまります。
2. 海外売上高とスピーキング力の相関
また、海外売上高比率が高い日本企業の過半数が自身のスピーキングレベルを把握し、強化に努めていることも明らかになりました。スピーキング力不足を解消するための対策が求められると同時に、企業の社内受験数増加との関連性も指摘されています。
3. ホテル業界の課題
特にホテル業界では、外国人観光客の増加に伴い英語でのコミュニケーションが必要とされる場面が増えていますが、スピーキングレベルが初級の「Pre-A1」が最多となっており、その状況が深刻であることが浮き彫りになりました。「B1」レベル以上の従業員がわずか20%以下で、「B2」レベルに至ってはわずか2%というデータは、今後のインバウンド需要に十分に応えられないことを示しています。
4. リスニング・リーディング力との乖離
さらに、TOEIC®L&Rを受験したビジネスパーソンとの比較でも、リスニング・リーディング力は「B2」レベル以上が33%であったのに対し、スピーキング力は7%未満であり、依然として両者のスキルに大きな差があることが確認されました。これにより、業務を遂行するためには、スピーキング力の測定と育成が重要であることが改めて明言されました。
今後の展望
今、企業は人材をコストではなく資本として捉えた人的資本経営の流れを受けて、より一層の投資が求められています。英語スピーキング力の強化は、グローバルな市場での競争力を向上させるために欠かせないスキルとなるでしょう。
このような背景の中、"PROGOS®"はAIを利用した自動採点により、スピーディで効率的な受験を可能としています。今後もさらなるデータ活用と人材の育成に寄与することが期待されています。また、この度の100万人受験の達成に際し、企業事例や受験データの傾向をまとめた特設サイトも公開されていますので、興味のある方はぜひご覧になってください。
結論
日本企業とグローバル企業の英語スピーキング力の現状には、明らかな差があり、特にホテル業界のスピーキング力不足は深刻です。今後は、企業が求める内容に応じて適切なスキルの強化が重要であり、人的資本経営においても、このスキルの可視化はますます不可欠となるでしょう。