ロンバー・オディエが示すアジア太平洋地域富裕層の投資動向と持続可能性への意識
ロンバー・オディエによる2021年富裕層調査の概要
ロンバー・オディエは2021年に、アジア太平洋地域の富裕層を対象とした調査を実施しました。この調査は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響を受けた富裕層の投資行動や持続可能性への意識の変化を探ることを目的としています。調査に参加したのは、シンガポール、香港、日本、タイ、フィリピン、インドネシア、台湾、オーストラリアに居住する620名の富裕層です。
調査の背景と目的
この調査は、2020年に実施された超富裕層に対する調査のフォローアップとして位置付けられています。ロンバー・オディエは、富裕層がパンデミックとの共存にどのように取り組んでいるか、またその結果としてどのような投資戦略を採用しているかに着目しました。特に、投資家の警戒心が高まり、プライベートバンクの助言に依存する傾向が強まっていることがポイントです。
投資とグローバル経済の視点
調査の結果から、各国のパンデミック対策の違いが市場に大きな影響を及ぼしていることが分かりました。オーストラリアやシンガポールの富裕層は「世界はローカル化が進んでいる」との見解を示している一方で、他の国々では依然としてグローバル経済への信頼が見られます。
また、インフレの上昇に対する懸念が高まる中で、61%の投資家が今後のインフレ状況を懸念しており、44%は株式市場の過熱感を指摘しています。若年層の投資家ほど、ポートフォリオの変更に意欲的で、新たな投資機会を模索していることが強調されました。金融機関は、こうしたニーズに対し、適切な助言を提供する必要があります。
持続可能性の重要性
持続可能性は今や投資の一環として重要視され、調査対象者の59%が「持続可能性は高いリターンを生む」と認識しています。これに伴い、40%がコロナ禍以降、ポートフォリオにおける持続可能性を重視する姿勢を示しています。しかし、実際の行動に対しては依然としてギャップが存在しており、金融機関はこのギャップを埋めるための支援を行うことが求められています。
家族問題に対する意識
コロナ禍が家族に関する問題に再考を促す一方で、60%の参加者がそれに気づきつつも、具体的な行動に移していないことが明らかになりました。金融機関は、家族問題に対する適切なアドバイスを提供し、投資家をサポートする役割を果たさなければなりません。
結論
ロンバー・オディエの調査は、アジア太平洋地域の富裕層が直面している変化を如実に示しており、投資や持続可能性への意識が高まっていることを明らかにしました。これに対応するため、金融機関は専門知識を活用し、戦略的な助言を行う必要があります。投資家は今後も変化する市場環境に柔軟に対応し、長期的な視野での投資を目指すべきです。
会社情報
- 会社名
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ロンバー・オディエ信託株式会社
- 住所
- 東京都港区六本木泉ガーデンタワー41階
- 電話番号
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