特許庁の新たな試み、知財アクセラレーションプログラム「IPAS」
日本のスタートアップ支援てに注目が集まる中、特許庁は新たな取り組みとして「知財アクセラレーションプログラム(IPAS)」を発表しました。このプログラムは、スタートアップ企業が独自の技術やアイディアを活かしながら事業を拡大し、大企業との連携や国際展開の道を開くことを目的としています。
「IPAS」とは何か?
IPASは、スタートアップ企業が自社のコア技術やアイディアを基盤に、他社と差別化を図り、より強固なブランドを構築するための支援を提供するプログラムです。特に、知的財産とビジネス戦略の結びつきを重要視し、専門家からのメンタリングにより「経営×知財」の架け橋を築くことを目指しています。プログラムの詳細には、以下のような内容が含まれています。
1.
特色的なメンタリング:各企業のニーズに沿った知財の専門家と連携し、経営と知財を統合した戦略を共に構築。
2.
審査プロセス:応募のあった59社から、審査委員会によって選ばれた21社がピッチを行い、その中から決定された10社への支援。
支援先企業の紹介
特許庁は、51音順で以下の10社を支援先として選定しました。これらの企業は、それぞれ独自の技術を持ち、国際的な競争力を高めるべく活動しています。
- - 株式会社アクセルスペース(東京都中央区):超小型人工衛星の設計・開発を行い、衛星から得られたデータを活用したソリューションを提供。
- - 株式会社aceRNATechnologies(京都府左京区):再生医療分野でのRNAスイッチ技術の開発を通じて、細胞選別の新たな道を切り拓く。
- - MDR株式会社(東京都文京区):量子コンピュータに関するハードとミドルウェアの開発を行い、新たな実用化を目指す。
- - 株式会社カウリス(東京都千代田区):法人向けのクラウド型不正アクセス検知システムを提供し、その重要性を自身のブランドとして確立。
- - 株式会社Kyulux(福岡県福岡市):次世代有機EL技術の開発で、TADF技術を用いた新材料の研究を行う。
- - 株式会社Jiksak Bioengineering(神奈川県川崎市):神経変性疾患の創薬に向けた細胞組織スクリーニング技術の発展を目指す。
- - ソナス株式会社(東京都文京区):無線センサネットワークによる省電力で高品質なセンシング技術を開発。
- - DeepFlow株式会社(東京都豊島区):超大規模流体解析システムを用いた新たな数値解析手法に挑む。
- - 株式会社ナノルクス(茨城県つくば市):暗視カメラに特化した撮影技術の開発を行い、周囲が暗い中でも高精度な映像を提供。
- - 株式会社メトセラ(神奈川県川崎市):線維芽細胞を活用し、心臓疾患の再生医療製品を開発。
キックオフイベントとウェブサイトの開設
このプログラムの発表にあたり、8月30日には虎ノ門ヒルズ内のventure café tokyoでキックオフイベントが開催されます。このイベントでは、支援先企業の紹介が行われ、さらに「スタートアップ×知財」をテーマにしたパネルディスカッションも予定されています。参加は無料で、多くの人に新しいビジネスの可能性を知ってもらえる機会です。
また、同日に特設ウェブサイトがオープンし、プログラムの詳細や支援先の情報が公開されます。これにより、今後の展望や関連情報に容易にアクセスできるようになります。
特設ウェブサイトはこちら
まとめ
特許庁の「IPAS」は、スタートアップ企業の成長を加速させる新たな試みです。技術力を生かした事業戦略を整える事で、日本のスタートアップシーンに新たな風をもたらすことが期待されています。今後、各企業の躍進に注目です。