岩手町で新たな食の流通を創造する「いわてのてとて」プロジェクトが2025年1月に始動します。岩手町の特産品であるキャベツやブルーベリーを生産する農家たちが、直接バイヤーに魅力を伝える商談イベント「競りピッチ」の開催が主軸となります。
このプロジェクトは、エンスペース株式会社が主催し、岩手町の支援を受けて進められます。実施されるイベントの一環として、2025年1月27日には「話育講座」が岩手広域交流センターで開催され、実演笑売士が農家に伝え方やプレゼンテーション技術を学ぶ場が設けられます。この講座は生産者たちが自らの産品の魅力を届けるための準備の一環であり、2月26日に仙台で実施される「競りピッチ」に向けた重要なステップです。
このように、従来の食の流通経路から新たなビジネスモデルを模索する動きは、岩手県における農業のさらなる発展を目指します。かつては、生産者が地域商社を通して流通するのが一般的でしたが、現代ではメディアやブランド戦略の多様化により、直接取引の重要性が増しています。
岩手町は、海のない内陸部にありながらも、山に囲まれた豊かな自然環境が育む甘みの強いキャベツや美味しいブルーベリーの生産地として知られています。また、芸術や文化にも力を入れており、「弓弭の泉石神の丘美術館」など多くの文化施設が存在します。この地域での新たな流通形態の創出は、ただの商業活動にとどまらず、地域全体の魅力を高める新しい試みと言えるでしょう。
「いわてのてとて」プロジェクトでは、生産者が自らのこだわりや思いを直接伝えることができるため、食文化に対する理解を深める機会になります。また、参加する生産者たちは、実演笑売士による講座で学んだ技術を駆使して、効果的なプレゼンテーションを行うことが期待されています。これにより、岩手町から全国、さらには国際市場へ向けての広がりも視野に入っています。
さらに、プロジェクトは2025年3月以降には飲食店などへの商品の供給も実施予定です。エンスペース株式会社はこのプロジェクトを通じて、地域の特産品に焦点を当てた食の新しい流通形態を確立し、ひいては東北地域全体の活性化につなげていく考えです。プロジェクトは、地域の生産者とバイヤーをつなぐ架け橋となるべく、様々な取り組みを行っていきます。
私たちが日々の食事を通じて楽しむ地域の味が私たちの身近にあるということ。それをさらに豊かにし、未来へとつなげるためぜひ注目したいプロジェクトが始動しました。岩手町の新たな取り組みがどのように進化していくのか、ぜひその行方を見守りたいと思います。