東京オフィスマーケットレポート2025年4~6月期
コリアーズ・インターナショナル・ジャパンが発表した2025年第2四半期の「東京オフィスマーケットレポート」では、東京の主要5区におけるグレードAオフィスビルの市場状況が詳しく分析されています。特に、需給の逼迫が進んでおり、貸主主導の市場環境が続いています。
市場状況の概観
2025年第2四半期、東京のグレードAオフィス市場では、新規の供給が抑制される中、需要は供給を上回る状況が続いています。この四半期の空室率は横ばいの2.1%を維持し、賃料は前期比0.9%上昇の33,300円/坪という結果となりました。特に、大手プロジェクトの竣工が集中した前年の供給量が影響し、新たな供給が厳しい状態です。
新規供給量は12,000坪と減少し、テナントの需要は13,000坪を超える一方で、物件選択には限界があり、企業にとって移転先の比較検討が容易ではありません。今後も2025年末までの供給は限定的なため、継続的にタイトな市場環境が予想されています。
エリア別の動向
丸の内・大手町エリア
空室率は1.2%に低下し、賃料は前期比1.3%上昇の45,800円/坪を記録しました。特に新築物件では強い賃料上昇が顕著です。
日本橋・八重洲・京橋エリア
このエリアの空室率は1.6%で、前期比0.4ポイントの低下を見せました。東京駅前の再開発により、賃料も前期比1.3%上昇し、44,900円/坪となりました。
赤坂・六本木エリア
大幅に空室率が低下し、現在は4.0%です。しかしながら、賃料は32,600円/坪にて前期比0.3%下落しました。
品川・港南エリア
空室率は1.1%で、地域で最も低い水準を維持しています。賃料は前期比1.5%上昇の28,100円/坪に達しており、高輪ゲートウェイシティの開業が影響しています。
渋谷・原宿エリア
ここでは空室率が2.4%に上昇し、賃料は前期比1.2%上昇の42,100円/坪となりました。
西新宿エリア
空室率が4.6%に上昇し、賃料は30,200円/坪で前期比2.8%上昇しています。このエリアは物件選択肢が多く取引が成立しやすいものの、賃料も高騰しています。
まとめ
コリアーズの報告書は、需給環境の厳しさが続く中で、東京オフィスマーケットの今後の展望を示しています。特に、賃料の上昇がテナントの移転戦略に影響を与える可能性が高く、企業は柔軟にニーズに応じた対応が求められることになるでしょう。さらなる新規供給の減少が続く場合、テナント側も賃料上昇を受け入れざるを得ない状況が予想されます。今後も、この情報に基づいて戦略を見直すことが必要です。