高機能バイオ炭「宙炭」の普及に向けて
兼松株式会社と株式会社TOWINGが連携し、高機能バイオ炭「宙炭(そらたん)」の普及を国内外で進める取り組みを始めました。この新しい農業資材は、温室効果ガスの削減や、有機農業の拡大に寄与することを目的としています。
国内市場での取り組み
まず、日本国内では、兼松アグリテック株式会社と提携し、「みどりの食料システム戦略」に基づいて化学肥料の使用量を減少させるプロジェクトを立ち上げました。この戦略に基づき、バイオ炭と有機配合肥料のセット販売を開始することで、農家の負担を軽減し、環境に優しい農業を提案します。新たに構築されるサプライチェーンでは、化学肥料の使用を減らし、持続可能な農作物の流通を実現することを目指しています。
海外展開の可能性
一方、アメリカでは、KG Agri Products, Inc.(KAPI)との協業により、オハイオ州の大豆実験圃場で「宙炭」の試験導入が行われています。これは、KAPIが契約栽培する大豆農家に対し、土壌の健康を改善するために「宙炭」を普及させる試みです。2024年5月からの実証実験を通じて、効果が確かめられた場合には、さらなる普及モデルを展開する予定です。
TOWINGの役割
TOWINGは、名古屋大学発のスタートアップ企業であり、サステイナブルな次世代農業を実現することを目指しています。2020年に設立されて以来、「宙炭」の製造・販売に注力し、農地や苗用の培土への導入を支援しています。また、カーボンクレジットの取得と販売に関するサービスも展開し、温室効果ガスの排出削減に寄与しています。このように、TOWINGは持続可能な食料システムを実現するために、さまざまな取り組みを行っています。
最終目標
この新たな取り組みにより、国内外での農業資材の革新が期待され、環境負荷を低減させることが狙いです。兼松グループは、2024年度からの3カ年経営計画においてGX(グリーントランスフォーメーション)を重視し、サステイナブルな農業をベースにした供給網の確立を目指します。これにより、農業の持続可能性と効率性の向上を図り、未来の農業の在り方を変革することを目指しています。
結論
兼松とTOWINGの連携による高機能バイオ炭「宙炭」の普及は、持続可能な農業の実現に向けた大きな第一歩です。この取り組みが国内外でどのように発展していくのか、今後の動向に注目が集まります。