3D類似形状検索システムで業務効率化を実現するスマートスケープ
はじめに
スマートスケープ株式会社が、製造業の図面検索業務の効率化に向けた新しい取り組みとして、株式会社ジェイテクトマシンシステムが開発した3D類似形状検索システム「SS4M(エスエスフォーエム)」の導入を発表しました。このシステムは、設計から調達、保守までの幅広い領域で利用されることを目的としており、業務の効率化を実現するものです。
現在、少子化等に伴い技術者が減少し、設計資産の過去の活用が困難になっています。それに伴い、ジェイテクトマシンシステムは、デジタル資産として3Dモデルを活用する「3Dデジタル構想」を推進しています。
背景と課題
同社では、毎月約1,000枚の図面を扱い、その中でおよそ300件の過去図面の検索業務が発生しています。これまでは、誰が設計したかやどの案件だったかといった記憶に頼る場面が多く、必要な図面を見つけられないこともありました。その結果、新しい図面を作成する必要が生じ、設計資産が十分に活用できないという課題を抱えていました。
こうした課題の解決策として、3D形状そのものを検索キーとして利用できるSS4Mが導入されました。これにより、図面化前の検討段階や営業、管理、調達部門においても必要な設計資産へアクセスしやすくなっています。
SS4Mの仕組みと活用内容
SS4Mは、3D CADデータを形状から検索できる類似形状検索システムです。このシステムを導入することで、3Dモデルを形状から容易に検索できる環境が整いました。特に、iCADで作成中の3DモデルからSS4Mの類似検索機能を使うことで、過去の承認済みモデルを迅速に参照できるようになりました。これにより、図番や案件名が不明でも、形状をもとに必要な設計資産にアクセスできるため、設計業務が効率化されます。
導入効果
SS4Mの導入により、設計部門では毎月の参考図検索件数が約300件に上り、従来はひとつの検索に5分程度が必要でした。しかし、このシステムの導入によって、検索工数を大幅に削減し、年間240時間の業務効率化を実現しました。また、管理・調達部門では新規図面作成が約10件減少し、年間28時間の業務効率化が図られています。今後、物流部門においても、受入検査時の工数を50%削減することが期待されています。
お客様の声
ジェイテクトマシンシステムの設計部門の武井様は、SS4Mの導入が業務効率化に貢献しているとコメントしています。「もともと経験や記憶に依存していた部分が大きかったのですが、SS4Mを活用することで3D形状を基に過去の設計資産へスムーズにアクセスできるようになり、再利用がしやすくなりました」と述べています。
一方、事業管理部の三宅様は、「ユニット単位での検索やブラウザ上での3Dモデル確認ができることにより、設計部門への問い合わせ作業が削減され、自部門で完結できる業務が増えています」とのことです。これらの具体的な利用例は、多部門でのデータ活用が実際に進んでいることを示しています。
今後の展望
ジェイテクトマシンシステムは、3Dデジタル構想をさらに推進していくとのことです。SS4Mを利用し、独自のツールで管理する出図履歴や参考機、派生機種等の履歴情報を組み合わせることで、3Dモデルを中心としたデータ活用を向上させる計画です。
まとめ
SS4Mを通じて製造業における設計資産の再利用と3Dデータ活用を進めるスマートスケープ社は、今後も設計、営業、調達、生産、保守の各部門で横断的な情報活用を促進し、DX推進に貢献していく方針です。