イタリアの医療AIが日本市場へ進出
2026年8月25日、Yap株式会社(東京都渋谷区)は、イタリアのIcarus S.r.l.(ブランド名:Icarus Technology)と業務契約を締結しました。主な目的は、医療機関への電話にAIが応答する音声アシスタントを日本仕様に改良することです。これは、両社が2026年5月28日に結んだ業務提携の一環であり、医療現場の電話応対の効率化に寄与することが期待されています。
医療現場の電話対応の現状
日本には105,690の一般診療所があり、患者からの予約や問い合わせは電話が主流です。そのため、受付担当者は窓口での患者対応と電話対応を同時に行うことが求められており、これが現場の負担となっています。Yapの調査によると、業務の性質上、電話の応対数には施設ごとに大きな差があることが分かりました。クリニックの看護師からは1日10件以上、医療事務からは1日11〜20件の電話があることが報告されています。特に、電話が鳴るたびに他の業務が中断されることが「よくある」「時々ある」との回答が多く、患者対応の効率が問題視されています。
日本向けのAIサービス開発へ
Icarusが提供しているAI音声アシスタントサービスは、イタリアで家庭医の診療所に導入されており、電話の一次受け、用件の振り分け、予約の受付を一貫して行えます。この仕組みを元に、日本市場の特性に合った仕様に改良し、医療従事者が本当に対応すべき電話のみに絞り込むことを目指します。
日本とイタリアでは、医療機関への電話のかかり方が異なります。日本では患者が自由に医療機関を選び、電話の内容も多様です。本契約の下、Yapは日本の医療現場で求められる機能を調査し、AIサービスの具体的な仕様を策定します。この段階には、医療現場のニーズを把握するための聴取や意見収集が含まれます。
YapとIcarusの連携
Yap株式会社は、海外の医療・ヘルスケア企業を日本市場に導入する支援を行ってきました。Icarus社との出会いは、2025年12月に行われた日伊企業のマッチングイベントから始まり、その後の協議を経てこの契約に至りました。これにより、両社の役割分担が明確になり、Yapは日本向けの調査を行い、Icarusはシステムの提供および保守を担当します。
Yapの代表取締役・山本正也氏は、「本当に出るべき電話が埋もれてしまっている現場の実情を改善したい」と述べ、このAIの導入が医療現場に新たな変革をもたらすと力強く語っています。Yapでは、家庭医だけでなく病院や調剤薬局に対する展開も視野に入れており、患者の自宅へ薬を届けるサービスとの連携も進めていく予定です。
この取り組みを通じて、医療機関の運営がより効率的になり、医療従事者の負担軽減や患者満足度の向上に繋がることが期待されています。今後の進展に注目です。