持続可能な農業への道を切り拓く!ニュージーランドから学ぶ羊の放牧方法
日本の羊の飼養頭数は、全国でわずか14,000頭、北海道でもその半分を下回る1万頭に過ぎません。これは乳牛135万頭、肉牛255万頭と比較すると、農業の一環としてあまりにも小さい数字であることが明らかです。このページでは、持続可能な農業、放牧の効果を広げることを目指す「ニュージーランド北海道羊協力プロジェクト」のセミナーの内容をお伝えします。
プロジェクトの目的と成果
このプロジェクトは、羊牧場の課題解決を通じ、羊を産業として成り立たせることが目的です。すでに4年が経過し、様々な成果が見られています。セミナーでは、収集したデータを基に、放牧における寄生虫管理と羊の抵抗力を高めるための実践的なアドバイスが行われました。
寄生虫管理と抵抗力
ニュージーランドからのコンサルタント、アラン・マックダーモット氏は、寄生虫管理の重要性について語りました。彼は、駆虫薬を使うこと自体が解決策ではなく、寄生虫の影響を最小限に抑えることが肝要であると強調しました。体重増加やボディコンディションスコア(BCS)のモニタリングをしっかり行い、適切な対策を講じることが重要です。
栄養状態を向上させることで、羊は寄生虫に対して強い抵抗力を持つようになり、リスクを軽減することが可能です。体調が悪い羊に適切な栄養を与えることで、寄生虫感染への抵抗力向上に寄与します。この戦略はすぐにでも実行可能な提案です。
具体的な成功事例
松尾めん羊牧場の実績
松尾めん羊牧場の佐藤場長は、約100頭の繁殖羊を育てています。今年の成果として、線虫による死亡がゼロ、BCS管理を年4回行い、母羊の増体により、例年にない三つ子の出産があったことが報告されました。親の体が健康であれば、子羊も順調に育つということを実証しました。
茶路めん羊牧場の取り組み
一方、茶路めん羊牧場の武藤さんの牧場では、BCS管理が健全な個体を増やし、事故率を10%未満に抑えるという素晴らしい成果を上げました。チーム全員でBCSの意識を高め、作業を徹底したことが、この成果に結びついたと語っています。
今後の展望
アラン氏は、良い牧草管理が「Grass is money/better feed」というフレーズに象徴されるように、経済的利益と直接結びつき、より良い質の餌の必要性を強調しました。この思想を実践することで、持続可能な農業へと近づける方法として、新たな情報を随時提供していく予定です。
次回のセミナーは2021年11月に開催予定で、詳細は公式ウェブサイトやSNSでお知らせされます。プロジェクトの進行に関心のある方は、ぜひチェックしてください。
連絡先
ファームエイジ株式会社
担当:高田(タカダ)
電話:0133-22-3060
ファックス:0133-22-3013
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