AIによるネットスーパー配送業務の効率化実証実験
株式会社フランチャイズアドバンテージ(東京都港区)は、2024年6月から2025年3月の約10ヶ月間にわたり、ネットスーパー事業における配送業務の効率化に向けた実証実験を行いました。この実施において、スーパーサンシ株式会社(三重県鈴鹿市)のネットスーパーの実データが活用され、AIを駆使して配車業務や配送業務の効率化が図られました。成果としては、時間の短縮や業務の標準化が確認され、今後の展開が期待されています。
背景
インターネットの急速な普及と生活スタイルの多様化に伴い、ネットスーパーの需要は急激に増加しています。しかし、配送業務の現場では、担当者の経験やスキルに依存する部分が大きく、労働力不足などの課題も抱えています。特に、配送条件が日々変わるネットスーパー業務では、効率化や業務の属人化の解消が求められています。スーパーサンシは40年以上にわたりネットスーパーを展開し、地域密着型の高品質サービスを提供しています。
実証実験の内容
実証実験は大きく2つのフェーズに分かれて行われました。
フェーズ1
初期段階では、配送ドライバー向けの動態管理アプリと配送支援アプリが開発され、実証されました。このフェーズの目的は、経験の少ない担当者でも効率的に業務を遂行できるような体制を整えることです。
フェーズ2
次の段階では、配車担当者向けの最適化AI配車アプリとスキル体系化アプリが開発され、現場での効果が検証されました。
実証結果
実証実験の結果、スーパーサンシ河芸店においては、以下のような改善が見られました。
- - 一日あたりの配送距離が従来比で17%削減され、751kmから626kmに。
- - 一日あたりの総走行時間が従来比で7%削減され、2809分から2621分に。
- - 業務の標準化が進み、ベテランのスキルをシステム化することで、効率性が向上しました。
この実験は株式会社デンソーおよびデンソーウェーブの協力を得て行われました。
今後の取り組み
実証実験による成果を基に、フランチャイズアドバンテージはさらなるAI活用とデジタル化を推進し、サービス業界全体への貢献を目指します。これにより、ネットスーパーの配送業務を一層効率化させ、業務の標準化を進めていく考えです。また、働き手の負担を軽減し、顧客へのサービス向上を図るため、さらなる協業や研究も予定しています。
結論
AIを活用したネットスーパーの配送業務の効率化は、単なる業務の合理化だけでなく、今後のサービス業全般にとっての新たな扉を開くものとなります。従業員の負担軽減や顧客サービスの向上を両立させるため、引き続き先進的な取り組みが期待されます。